本記事は夏山気分で赤岳、横岳、硫黄岳を日帰り周回の(2)になります。地蔵ノ頭から横岳、硫黄岳への登頂、赤岳鉱泉、北沢を通って赤岳山荘に帰るまでの山行記録です。
前回の記事はこちらです。
南八ヶ岳の縦走はしたいしたいと思いながらもなかなか実現せず、赤岳、横岳、硫黄岳の縦走コースはまだ歩いたことがありませんでした。 このコースを歩くならまずテント泊にするか、日帰りにするかを考える必要があります[…]
山ごはん編はこちらです。
先日の南八ヶ岳日帰り縦走の山行で食べた山ごはんのご紹介です。 登山編の記事はこちらです。(1)、(2) 今回は日没までに帰ってこれるだろうか?という若干の不安もあったため、山ごはんにあまり時間[…]
動画編はこちらです。
5月の末、雪もほとんどなく早くも夏山のような装いの八ヶ岳を歩いてきました。日帰りで赤岳、横岳、硫黄岳をぐるっーと一周です…
登山情報
【日時】2015年5月27日
【天気】晴れ
【目的地】赤岳(2899m)、横岳(2829m)、硫黄岳(2760m)
【駐車場】赤岳山荘駐車場1000円
【トイレ】各所にあり。
【コースタイム】5:23赤岳山荘-5:32美濃戸山荘-[南沢]-7:43行者小屋<小休止>7:57-9:36赤岳<小休止>-9:49赤岳頂上山荘<小休止>10:13-10:35赤岳展望荘-10:41地蔵の頭<大休止>11:56-13:05横岳(三叉峰)-13:26横岳(奥ノ院)13:34-13:41台座の頭-14:08硫黄岳山荘-14:36硫黄岳<小休止>14:48-15:18赤岩の頭-16:32赤岳鉱泉<小休止>-[北沢]-17:28堰堤広場-18:06美濃戸山荘-18:16赤岳山荘
【グレーディング】体力度4,難易度C,ルート長15.3km,累積標高差1.48km
※体力度1‐10,難易度A-E(1,Aが低い)。詳細は長野県の山のグレーディング情報を参照。
装備
・ザック:OSPREY ストラトス 36
・レインウェア:THE NORTH FACE RAINTEX Plasma
・登山靴:ザンバラン フジヤマNW GT
・トレッキングポール:Helinox Passportシリーズ FL-120
・地図:山と高原地図「32 八ヶ岳」(紙、アプリ)、国土地理院の1/25000地図(紙)
・時計:SUUNTO Vector Khaki
・カメラ:EOS Kiss X7、SONY Cyber-shot RX100M3
・レンズ:Tamron 16-300mm F3.5-6.3 DiII
・三脚:SLIK SPRINT PROⅡ GMN、自作マルチポット
・調理道具:Esbit ポケットストーブ、UNIFLAME ウィンドスクリーン S、PRIMUS ウルトラ・スパイダーストーブ、MSR ヒートリフレクターウィンドスクリーン、Esbit アルミフライパン、Esbit グリッパー、snow peak チタンシングルマグ 300 フォールディングハンドル、snow peak ワッパー武器 SCT-001、PRIMS GAS CARTRIDGE IP-110、nalgene 60ml、nalgene 250ml、nalgene ナルゲン 広口 1.0L Tritan、固形燃料、トング他
・ハイドレーション:Platypus ビッグジップLP 2.0L
・水:2600ml(1200ml+スポーツ飲料1400ml)
・食料:お昼ごはん用食材、行動食、予備食
・その他:docomo GALAXY S4 SC-04E、エマージェンシーセット、ヘッドランプ、予備バッテリなど
合計重量:約12kg
地蔵の頭-横岳
ここからは硫黄岳までは自分にとって未知のルートになります。一体どんなトレイルなのでしょうか?不安よりもワクワク感の方が大きいです^^この先でツクモグサもみれるはず!脚元も注意して歩かなければ。
地蔵ノ頭のすぐ先のハシゴです。
そしてまたハシゴ。見た目のとろりゴツゴツした岩稜帯が続いてます。ずっとこんな感じなのかなぁとちょっと不安も・・・。
なんとか岩みたい!?名前とかないのかなぁ?
こっちはなんか寝そべってるみたいw
振り向けば赤岳です^^気持ちいいね。ここが二十三夜峰かな?石碑見落とし。
鎖場が続きます。注意して歩けば特に問題はないと思います。
この鎖場を抜けるとロープに囲まれた場所があり、なんだろう?とみてるみるとお花畑になっていました!少し先の崖になっているところにも咲いています。
混ざってしまってどっちで撮ったのかわからないですが、モフモフふわふわのツクモグサちゃん達をお楽しみください^^
同じ場所にオヤマノエンドウも咲いています。
いつまでも眺めていたいところですが、時間が押しているので先を急ぎます。
花畑の先はまた鎖場。
この先にもオヤマノエンドウはあちこちに咲いていました。
赤岳とオヤマノエンドウ。
阿弥陀岳とオヤマノエンドウ。
こちらは阿弥陀岳とツクモグサ。
そしてモフモフ兄弟^^
大権現と書かれた石碑がありました。ここが石尊峰の山頂のようです。
そういえば日ノ岳、鉾岳のピークは確認できませんでした。どこだったんだろう??
この先に見えているのが三叉峰と奥ノ院でしょうか。
三叉峰手前の岩です。岩が割れているのか重なっているのか、どうしてこんなふうになるんでしょうねぇ。
三叉峰の道標です。
あれが奥ノ院だと思います。花撮りでだいぶ時間を使ったので急ぎたいのですが、結構へばってます^^;
ここにもツクモグサはけーん!奥ノ院手前のロープに囲まれたところに一輪だけツクモグサが咲いていました。
そしてようやく横岳に到着です。ここまでシンドかったぁ~^^;
山頂には数名の方が休憩されてました。ここはそれほど広くはないですが、一応スペースがあるので空いていれば山ごはんスポットとしていいかもしれません。景色もよいです^^
横岳‐硫黄岳
横岳から先は硫黄岳への緩やかな登りがあるくらいですので、少し楽になりそうです。
まずはカニの横ばいと言われる鎖場。まぁ、写真を撮る余裕があるくらいですからそれほど怖いところではありません。
振り返れば横岳がそびえています。
硫黄岳に近づいてくると岩稜帯も終わりのようで、山容が変わってきました。
硫黄岳高山植物園。コマクサやウルップソウがみられるようです。
硫黄岳山荘でトイレ(100円)を借り、水を補給(100円)しました。
硫黄岳はケルンを目印に歩を進めます。
振り返れば今日歩いてきた縦走路が一望できます。結構がんばって歩いてきなぁ~^^
岩陰にミネズオウが咲いていました。
硫黄岳山頂にとーちゃーく!
爆裂火口、いつみても迫力満点ですね。
硫黄岳の案内板にはウルップソウは7月上旬とあります。
コマクサは7月~8月とあります。今年はどちらも早くなりそうな感じですね。
硫黄岳からみた天狗岳、蓼科山方面です。
硫黄岳‐赤岳鉱泉
硫黄岳から先はひたすら下ることになります。登りはもうないので気になるのは時間です。現在15:00前ですからあと3時間かかるとして18時くらいまでには帰れる予想。まずは赤岳鉱泉を目指します。
硫黄岳からの下山道はこっちから。残雪も少し見えますね。
振り返れば今日歩いてきた縦走路。何度も何度も振り返ってしまいます^^
阿弥陀岳も入れて。
こちらはパノラマ写真です。
硫黄岳を振り返るとこんなふうに尖って見えるのが面白いです。
ほどなく赤岩の頭に到着。
赤岩の頭から赤岳鉱泉までは残雪が思った以上にありました。下りなのでゆっくり慎重に歩き赤岳鉱泉に到着。
赤岳鉱泉メニュー。パスタは4種類あるそうです。
赤岳鉱泉はテン泊しかしたことないので一度は泊まってみたいですね^^
ベンチ。のんびりするのによさそうですが、今日は時間がありません。お水を補給しちょっとだけ休憩して出発です。
アイスキャンディーの残骸も入れて。
屋根に登ってなんか作業されてました。
大同心と小同心。2つの岩が横岳を警備しているように見える姿から江戸時代の警備の役職「同心」から大同心、小同心と名付けられたそうです。
こうしてみるとお坊さんが拝んでるみたいに見えますね^^
赤岳鉱泉‐北沢‐赤岳山荘
ここからは北沢を歩いて赤岳山荘を目指します。標高差もほとんどない沢沿いの整備されたトレイルです。
沢の色は赤みを帯びているのはやはり鉱泉の影響でしょうか?
八ヶ岳を振り返ります。ありがとう、またくるね^^
キバナノコマノツメ。
沢の音、雰囲気に癒やされます^^
綺麗なスミレ。タチツボスミレでしょうか。
18:16、赤岳山荘に帰ってきました。よくがんばった自分!そしてありがとう八ヶ岳、楽しく充実した山行になりました。そして、途中からご一緒させていただいきいろいろ楽しいお話を聞かせていただいた同郷のNさん、ありがとうございました!
ソライロノート
【登山道】
南沢:あまり日が入ってこない樹林帯歩き、北沢にくらべやや暗い道を長々と歩くことになります。ぼーっと歩いているとルートではない沢に入ってしまいそうな箇所もあるので油断は禁物。行者小屋近くは倒木が多く歩きにくいです。残雪はほとんどありません。
文三郎道:日陰には残雪があります。踏み抜くことはありませんでしたが注意したほうがいいと思います。樹林帯を抜けると階段地獄。延々と続くので体力的にはキツイ。階段が終われば最後に岩登り。特に難しいことはないと思います。
赤岳-横岳:雪はほぼなし。赤岳からの下りはザレ場で滑りやすい。ハシゴ、鎖場、岩登りなどもあるが高度感がそれほどあるわけではないです。体力的には一番キツく感じました。怖いと感じるような箇所はありませんでしたが、転んだりしたら当然危ないです。
横岳‐硫黄岳:雪なし。横岳を過ぎると登りはあまりないので体力的には楽になりました。カニの横ばいなどの鎖場がありますが、高度感はないため怖さはありません。硫黄岳までのゆるやかな登りが最後の登り。
硫黄岳‐赤岳鉱泉:赤岩の頭から赤岳鉱泉までの日陰には思ってた以上に残雪があり、下りなので慎重に歩きました。踏み抜くことはありませんでした。
北沢:危険箇所、迷うようなところもなし。南沢より明るい感じのするトレイル。よく整備されています。残雪なし。
【山ごはんスポット】
この縦走路上で山ごはんを食べるならこの場所がいい!という個人的なおすすめスポットを書いてみます^^
赤岳山頂は狭いし混雑していることが多いのであまり適当ではないです。
赤岳頂上山荘の前のスペースはなかなかのベストポイントでした。人が多くなければいい場所です。ただし赤岳に近すぎるので、少し離れたところから赤岳を眺めながらごはんを食べたいのであれば、もう少し離れたい。赤岳展望荘あたりがいいのですが、小屋に何本も取り付けられてる風車が赤岳の前に目に入ってくるのでそれがちょっと気になります。
今回お昼を食べたのは、もう少し先の地蔵の頭のすぐ手前のちょっとしたスペースを利用しました。ここは赤岳、阿弥陀岳、横岳側の眺めもよく、人2‐3人くらいが座れるスペースがありいい場所だなぁと思いました。ただしあんまり平らではないので火を使う場合は注意です。
地蔵ノ頭の先の二十三夜峰のあたりによい場所がありました。崖の手前のスペースで高山植物もない岩ばかりのところで座れるようなところがありました。赤岳、阿弥陀岳の眺めも素晴らしく、風がないときであればこの縦走路の隠れたベストスポットかもしれません。
横岳山頂は人が少なければ悪くないかもしれません。硫黄岳山頂は広いし、今まで歩いてきた縦走路を一望できるので、ここもいいですね。
【体力テスト】
日帰りで15kmを歩くという今回の山行のテーマの1つである体力テスト。日没までに何とか戻ってくることができたので、ぎりぎりで合格点かなぁと思います^^体力的にはもうこれ以上1歩も歩けない!というところまではいってませんが(そこまでいってしまう山行は危険ですよね)、あと1時間歩いたら充実した気分よりも疲れが上回って途端に機嫌が悪くなりそうなくらいまで疲れてました、、w
このくらいの距離、標高差のところを何度も歩いてもっと体力をつけていきたいと思います。
【装備】
ヤマレコ等の情報からアイゼンは持ちませんでした。トレッキングポールは未使用です。下りの残雪のあるところで出そうか迷ったけど、使いませんでした。
水は硫黄岳山荘(1L100円)、赤岳鉱泉で補給しましたが、赤岳鉱泉で補給するだけで十分でした。行きも行者小屋の水場で補給できるので、最初はスポーツ飲料だけにした方が効率的だったなぁ。
今回のザックの重さは合計約12kg。日帰りとしてはやや重いですよねぇ。三脚、一眼、レンズを全部やめればさらに2kg減ります。昼ごはん用の食材、道具等もいろいろ省けるものはあるけど、そこは自分のこだわりどころなので^^
今回、一眼(kiss)のレンズは16-300mmの万能レンズにしました。コンデジもあるので16-300ではなくマクロレンズだけにしようかとも迷ったのですが、結果的には16-300でよかったと思います。花を撮るにはマクロのが背景がボケるし近寄れるのでいいのですが、やっぱり縦走路から常に見える稜線は一眼で何度も撮りたくなるし。花も300mmあればいちいちかがみ込まなくてもそれなりに撮れるのが楽でした(雑な撮り方ですが^^;)。16-300mmはホントに山で重宝する万能レンズだなぁと改めて実感です^^
【GPSログ】
GPSログからの距離計算では18.5kmになってしまい、相変わらずの大きな誤差です。今回GPSのログ記録間隔を30秒にしたいたのですが、あまりにもスマホのバッテリ消費が早いため途中で1分に戻しました。記録間隔が問題なのかどうかはわからなくなりました。赤岳頂上山荘あたりのログはあきらかに変な線になっていておかしいです。ですが今のところ対策が何もできないのでこの問題は放っておくしかなさそうです。
【過去の山行記録】
今回歩いてちょっと記憶がはっきりしなかったのが、文三郎道って歩いたことなかったかなぁ?という、、、一度歩いた道なら少なくと歩いてみれば思い出すと思うので、たぶん歩いていないんだと思います。ただきちんと記録をつけていなかったので、簡単に確かめることができないんですよねぇ。理想を言えば過去の山行記録も全部記事にしておきたいところですが、、、せめてヤマレコにルートの記録くらいは全部つけておこうと思いました。初めてなのか、何回目なのかがわかった方が自分のモチベーションにもなり、より楽しいですからね。
【まとめ】
とにかく歩いて気持ちのいいコースでした^^雪もほとんどなく気分は完全に夏山です。
稜線からは常に赤岳、阿弥陀岳、横岳と自分が歩いてきたトレイルを眺めることができ、かすんでいましたが富士山から、御嶽、南、中央、北アルプスまで見渡すこともできました。同じような風景でも何度も何度もシャッターを切らずにいられません^^
景色だけではなくお花も目を楽しませくれました。ツクモグサは初めて見れましたがモフモフふわふわですりすりしたくなるようなかわいいお花ちゃんでした^^キバナシャクナゲもすでに咲き始めていました。今年は全体的に2‐3週間くらい早いらしいのでコマクサも6月下旬にはみれるようになるかもしれませんね。楽しみが尽きません。
そして次から次へと現れる鎖場やハシゴ、岩登り。これが怖すぎず難しすぎずで適度な高度感もあり、自分としてはちょうどよい難易度でとても楽しみながら歩くことができました。一番の問題はやはり体力で、日帰りはやっぱりせわしない気がします。今頃の日の長い晴天の日であればいいですが、そうでないと自分のペースだとかなり危ういなぁと思います。そのあたりも考えると今のままの体力でこのコースを歩くならテント泊がいいかなぁと思います。
また時期を変えて何度でも歩いてみたい南八ヶ岳縦走コースでした。というか気分的にはすぐにでもまた行きたい!です^^
前回の記事はこちらです。
南八ヶ岳の縦走はしたいしたいと思いながらもなかなか実現せず、赤岳、横岳、硫黄岳の縦走コースはまだ歩いたことがありませんでした。 このコースを歩くならまずテント泊にするか、日帰りにするかを考える必要があります[…]
山ごはん編はこちらです。
先日の南八ヶ岳日帰り縦走の山行で食べた山ごはんのご紹介です。 登山編の記事はこちらです。(1)、(2) 今回は日没までに帰ってこれるだろうか?という若干の不安もあったため、山ごはんにあまり時間[…]
動画編はこちらです。
5月の末、雪もほとんどなく早くも夏山のような装いの八ヶ岳を歩いてきました。日帰りで赤岳、横岳、硫黄岳をぐるっーと一周です…