ドイツの保存食である「ザワークラウト」は、日本でいうところの「キャベツの漬物」です。どちらも乳酸菌が発酵した発酵食品です。本記事では、ザワークラウトを作るのに適した時期、材料、作り方、保存方法、失敗しないコツについて解説します。
作り方を動画で見たい方はこちら。
キャベツの保存食と言えばザワークラウト。キャベツを乳酸発酵させた伝統的なドイツ料理です。ほどよい酸味がやみつきにななる美…
作るのに適した時期
キャベツは一年中スーパーで手に入るので、1年中いつでもザワークラウトを作ることはできます。作りたいと思ったときが作りどきです。
そんななかでもザワークラウトを作るのに最も適した時期は、3月~5月くらいです。この時期がもっとも美味しく、しかも失敗しにくい時期と言えると思います。
これには2つのポイントがあります。
- キャベツが旬である
- 乳酸菌が活動しやすい温度である
旬と言えるのは冬キャベツなら11月~2月、春キャベツなら3月~5月くらいだと思います。
また乳酸菌が活動しやすい温度は20度~25度です。室温がこのくらいの温度のとき、乳酸菌がしっかりと働いてくれるので、ザワークラウトを作りやすいです。
温度が低すぎると乳酸菌があまり働かずに、発酵するのに時間がかかります。春3月~5月くらいがこのくらいの室温になり、ザワークラウトを作りやすいと思います。
大まかな流れ
ドイツではザワークラウト、フランスではシュークルートと呼ばれます。名前はちょっとしたおしゃれな感がありますが、要はキャベツの漬け物です。
キャベツの長期保存が可能になるだけでなく、ビタミンCなどの栄養も豊富です。発酵食品なので抗酸化作用、腸内環境改善、免疫力アップ等も期待できます。
さっそくザワークラウトの作り方をみていきましょう。
大まかな流れはこんな感じです。作業時間はトータルで2-3時間くらい。完成まで約1週間です。
1.仕込み:塩をまぶして保存瓶に仕込みます。2時間くらいです。
2.熟成を待つ:1週間くらい。
キャベツを塩漬けにしておいておくだけ、簡単なのでぜひお試しください!
材料
- キャベツ 2kg(お好きなだけ)
- 塩 40g(キャベツの重さに対して2%)
- キャラウェイシード 小さじ2(なくても可)
塩はキャベツの重さに対して2%
キャベツの外葉や芯をとる前の重さで算出してOKです。
キャラウェイシードは、スーパーになければネットでも購入できます。キャベツによく合うスパイスなのでザワークラウトにはもってこい、パンにも合います。
ただ塩だけでも美味しいので、なくてもまったく問題ありません。
道具
- 2Lの保存瓶
- すりこぎ棒(保存瓶の口に入る太さ棒状のもの、細長い瓶などで代用可)
- ボウル
- 包丁
- まな板
使用する保存瓶について2点ポイントがあります。
- 熱湯消毒またはアルコール消毒をしておくこと
- 保存瓶の容量の目安は1Lの瓶に1kgのキャベツ
1kgのキャベツなら外側の葉をとり、芯を取り除くとちょうど1Lの保存瓶におさまります。今回は2kgのキャベツで2Lの瓶におさまりました。
発酵するとガスが出て、汁かさも増えるため保存瓶のが作りやすいと思いますが、ジップロックを使っても作ることはできます。お好みの道具をご使用ください。
漬物の道具選びに迷ったら、こちらも参考にしてみてください。
たくあん漬けを毎年漬けるようになって5年。今節は、たくあん用の細長い大根を自分で畑で育てたくあんを漬けてみました。 白菜漬けやキムチ漬けなども毎年漬けていますが、市販のものに負けないくらい美味しい漬物ができ[…]
作り方
1.キャベツの外側の葉を外し、4等分に切り、芯を切り落とします。
キャベツはさっと洗う程度で、しっかりと水分を切ってください。汚れているところが残っていたら濡れキッチンペーパーで拭きとります。キャベツの葉についている乳酸菌が発酵の素なので、あんまり洗いすぎないようにします。
4等分に切り、芯を切り落とします。
芯を切り落とす
外葉と芯はとっておきます。
あとで使います!
2.粗目の千切りにします。
※太いほど歯ごたえのあるザワークラウトに仕上がりますのでお好みで。
3.ボウルに切ったキャベツ、塩、キャラウェイシードを加えます。
千切りにしたキャベツ
塩
キャラウェイシード
4.塩とキャラウェイシードが全体に行き渡るように混ぜ合わせ、10分くらい揉み込みます。
揉み込む
揉み続けるとキャベツから水気が出てきて絞れるようになります。ギュッと絞ったときに水が滴り落ちるようになればOK。
5.保存瓶に入れます。空気が入らないように押し込みながらキャベツを詰めていきます。
保存瓶へ
すりこぎ棒を使ってかなりギューギューと押し込みます。
6.最後にキャベツから出てきた水分もすべて入れます。
キャベツが水に完全に浸っている状態にすること!
ここ、失敗しないための最重要ポイントです!
もう一度いいます。
キャベツが水に完全に浸っている状態にすること。これが失敗しないためのコツです。
7.キャベツの外葉で内蓋をします。
とっておいた外葉を少し切ったり折り込んだりして蓋にします
瓶に押し込んでかぶせます
8.キャベツの芯をつっかえ棒にして蓋をします。これで重石をしている状態になります。
とっておいた芯を使う
これをつっかえ棒にします
発酵がすすむと炭酸ガスが発生するので蓋は密閉しません。
パッキンを外しておきました。
一番上のキャベツから瓶の口まで3cmくらいの余裕を確保しておきます。
キャベツが発酵してくるとガスが発生し水分も出てきますので、かさが増えます。それを見越して3cmくらいの余裕を確保しておいてください。
余裕が足りないと溢れてきます。
9.冷暗所(25度以下)で1週間くらい。時々蓋をあけて炭酸ガスを逃がしてあげます。
発酵が進むと、抑えは不要になりますので芯は取り出して大丈夫です!
経過4日目。
味見をしながら発酵が進んでいくのを待ちます。5~7日くらいで酸っぱくなり始めたら食べ頃です。お好みの発酵具合になったら冷蔵庫へ入れて、発酵を抑えます。
完成です!ぶくぶくと泡がすごい^^
まずはウインナーと一緒に食べました!?
失敗しないコツ
発酵がうまくいかないと、ねばねばして腐ったような匂いのザワークラウトになってしまいます。そうなったらもう捨てるしかありません;;
失敗しないザワークラウトのためのポイントは2つ。
- 清潔な保存瓶を使用すること。
- キャベツが常に水に浸かっている状態にすること。
使用する保存瓶は必ず煮沸消毒またはアルコール消毒をしておきます。
そしてキャベツをよく揉み込んで水分を出させておき、すりこぎなどでよく押し込み、しっかり水に浸るようにすること(手順4-6のところ)。
これさえ守れば、ザワークラウトはまず失敗することはないんじゃないかと思います。
保存方法と保存期間
冷蔵庫で3~6ヶ月くらい保存可。だんだん酸っぱくなりますが、最初の2週間位はあまり味が変わらずに食べれると思います。
より長期の保存には冷凍も可能です。
食べ方
そのまま食べるのが超美味しくって、適度な酸味がやみつきになります!!
ドイツ料理なのでウインナーの付け合せにも合います。漬け物でもあるので、白いごはんとも相性バッチリです。和洋問わずの万能選手!(‘ᴗ’)
ホットドッグにするならそのままパンに挟むだけ、炒める必要はありません。酸味があるのでケチャップは控えめまたはなくてもいいかも。お好みでマスタードを付けても美味しい。
熱を入れなければ生きた乳酸菌を取り入れることができますしね。でも少し酸っぱくなってきたら加熱料理にしても美味しいです。スープやシチューに炒めもの、煮物にも使えます。塩味と酸味があるので味付けほぼいらず、入れるだけなので使い勝手抜群です。
ソライロノート
キャベツの保存食は、美味しくて長持ち、和洋問わず使い勝手のいいザワークラウトで決まり!大玉のキャベツを全部使って作っても、あっという間に食べきってしまうんじゃないかと思います。
天候不良等でキャベツが高騰することもありますが、安い時期に買い込んで常備しておきたい保存食です(‘ᴗ’)
作り方を動画で見たい方はこちら。
キャベツの保存食と言えばザワークラウト。キャベツを乳酸発酵させた伝統的なドイツ料理です。ほどよい酸味がやみつきにななる美…
もう少し塩分を落とし方には塩キャベツがおすすめ。
春キャベツの季節です。春キャベツはみずみずしくて甘くてほんとに美味しいですよね😊 うちの小さな家庭農園の畑にもキャベツがたくさんできました。 キャベツは他の畝にもあります。せっかく大きく育ったのですから無駄には[…]
ザワークラウト以外にも漬物いろいろ♪
炊きたての白いご飯に白菜漬け、これが美味しいんですよねぇ~♪白菜漬けの美味しさはなんといっても食感です。シャキシャキ、サクサク、ザクザク、バリバリと漬け具合によって音は変わってきますが、あの歯ごたえがたまらなく、ごはんに[…]
白菜キムチの独特の風味、あの酸味が大好きにゃ~、ママさん作ってほしいにゃ! 白菜キムチかぁ、、、作ってみたいけど、素人がイチから作るのはちょっと難しそう・・・? 大丈夫で[…]
たくあん漬けは2015年から漬け始めて毎年漬けるようになりました。毎回少し分量を変えてみたり、まぜぬかに新しいものを入れてみたりしています。ちょっとした干し加減、塩や砂糖の割合で味や食感が変わってきます。たくあん作りは奥が[…]
今冬も自家製たくあんを漬けました。たくあん漬けは2015年から漬け始めて3回目。手間と時間がかかりますが、市販の柔らかくて甘いたくあんとは一味もふた味も違います。特にコリコリ食感たまらなくクセになります。 作り方を動画で見た[…]
大根の漬物といえばたくあんにゃ、たくあん作りはかなりの手間と時間がかかるから、なかなか手を出せない人も多いにゃ 大根で簡単に作れる漬物ってないかしら? そういう方にも、ぜひおすすめした[…]
キムチといえば真っ先に思い浮かべるのは白菜キムチや大根で作るカクテキかもしれません。 でも夏にキムチを食べるなら、旬のきゅうりを使ったキムチでしょう。 そう、さっぱりとしたきゅうりのキムチ「オイキムチ」がおすすめです![…]
5月~8月に作りたい保存食まとめはこちら。
5月に入りせっかくのGWですが、緊急事態宣言継続中のため自由に外出はできず、多くの人が家に引きこもって巣ごもりGWを迎えている状況かと思われます。 普段の忙しい日々から考えると、信じられないくらい時間が有り[…]
緊急事態宣言が解除され、少しずつ外出ができるようになってきましたが、6月に入りもう梅雨の季節です。 6月は祭日もないし、雨も多くて家にこもることが多くて憂鬱・・・ こんな風に思う方[…]
7月です。 梅雨があければ、いよいよ本格的な夏がやってきます!外に出てアウトドアのアクティビティなどで思う存分、ストレスを楽しみたいですよね。 でもやっぱりウイルスの心配があるから[…]
ようやく梅雨が明けたけど、毎日暑いにゃあ 連日猛暑で早くも夏バテモードだわ、食欲も湧かないし、どうにかして~ こんなときは、クーラーの効いたお部[…]
1年を通してどんな保存食をいつ仕込んだらいいのか?ひと目で分かる保存食カレンダー
※記事内のリンクはアフィリエイト広告を含みます。 保存食には作るのに適した旬の時期があり、旬の時期に仕込むと一層美味しくなります。カレンダーにしておきましたので、仕込むタイミングを逃さないよう参考にしてください。 まだ[…]
もしもに備えて食材を備蓄し、防災グッズを揃えておこう!
※記事内のリンクはアフィリエイト広告を含みます。 新型コロナの蔓延、ロシアによるウクライナ侵攻、思いもよらなかったことが起こりうる世の中です。それだけではなく地震や台風などによる災害、本当にいつ何が起きるかわかりません。 […]
※記事内のリンクはアフィリエイト広告を含みます。 もしもの災害に備えて防災グッズを準備しておこう! 異常気象、気候変動、台風、地震、噴火、戦争など、個人ではどうにもならないような災害がいつなんどき襲ってくるかわからない[…]