梅干しは通常「塩漬け」 → 「赤紫蘇漬け」 → 「土用干し」という3つの工程を、順番にすすめていきます。
今回はあえて、この常識をぶち破り、いきなり生の赤紫蘇で漬けて梅干しを作ってみました。
このやり方を「生赤紫蘇漬け」と呼ぶことにします。※そういうやり方があるわけではありません。わたしが勝手に名付けました。
結論からいいますと、「生赤紫蘇漬け」で梅干しは
「できます」
というわけでやり方を見ていきましょう。
大まかな流れ
この作り方の大まかな流れはこうなります。
1.塩漬け+生赤紫蘇漬け
2.土用干し
梅干しに適した梅を手に入れたらすぐに1を行い、晴れの日が3日続く頃に土用干しを行うことになります。
うまくいけば6月中に赤紫蘇梅干しが完成することもできます。
予想
通常の作り方に比べて、完成時の色づきが少し悪いのではないかと予想します。
味にはあまり違いは出ないと予想しますが、あるとすれば紫蘇のアクが少し雑味のような形で出るかもしれません。
材料
- 黄熟梅、完熟梅 お好きなだけ
- 粗塩 梅の重さの13~15%くらい(お好みで調整)
- 焼酎(アルコール濃度25%以上) 1kgに対して30ccくらい
- 赤紫蘇の葉 梅の重さに対して20-30%くらい
具体例
梅 500g、塩 65g(13%)、焼酎 15cc、赤紫蘇の葉150g(30%)
作り方
1.梅の下処理:水洗いをしてヘタをとり、水気を拭き取ります。
2.赤紫蘇の下処理:赤紫蘇の葉のみをちぎり、水洗いをして水気を切っておきます。
3.【重要工程】材料をすべてジップロックで合わせて揉む。
ジップロックに梅、焼酎、塩を入れます。
そして赤紫蘇もそのまま入れます。
塩が全体にまぶされるようにジップロックごとしっかりともみしだきます。
空気を抜いて仕込み完了です。
少量なのでジップロックを使用していますが、樽漬けでも可能です。
4.このまま10日~2週間くらい漬けておきます。
比較のために、塩もみをした赤紫蘇も同じように漬けました。2週間後が楽しみです。
←左がもみ紫蘇版。→ 右が生紫蘇版です。
【経過観察】
1日経過しただけですが、すでに梅酢があがりはじめ赤く染まり始めました。色の差はほとんど出ていないようです。
← もみ紫蘇版。→ 生紫蘇版
5.土用干し
干す前の状態。← もみ紫蘇版。→ 生紫蘇版
晴れの日が3日続く日を見計らって土用干しを行います。
← 左がもみ紫蘇版。→ 右が生紫蘇版です。こうしてみるともみ紫蘇版の方が、若干ですが色濃く見えるような気がします。
赤紫蘇も土用干し
梅酢も日光消毒します。
土用干しが終わり、完成したものを比較してみます。
どちらもしっかりと染まりました。
色の違いの差はほとんど見られませんでした。
結論:もみ紫蘇と生紫蘇の違いは・・・
色味の違いはほぼ感じませんでした。味の違いもわたしにはわかりませんでした。
でも違いはありました。
完成後の梅干しはジップロックに入れ常温においたのですが、ジップロック保存してから、1週間経過したところでジップロック内の赤紫蘇に白いもやもやが発生しました。これは産膜酵母と思われます。放っておけばカビになりそうな感じでした。
というわけで
もみ紫蘇と生紫蘇の違いは「保存性」です。
生の赤紫蘇で漬けた場合は保存性が下がる可能性があります。なので生紫蘇漬けの梅干しは冷蔵保存がよいかと思います。
梅干しを長く保存したい場合は、ちゃんともみ紫蘇にしてから使う通常のやり方がおすすめです。
ソライロノート
十分な紫蘇の量を使用すれば、生紫蘇でも梅干しはちゃんと赤く染まりました。いきなり塩と生の赤紫蘇で漬けても梅干しはちゃんとできました。予想外の結果となりました。
梅干し作りがめんどくさい!と感じる方には1つのやり方として「あり」だと思います。
ただし保存性が下がる可能性があることだけは十分に注意する必要があるでしょう。
今回の検証が、梅干し作りのハードルを少しでも下げることにつながれば幸いです。
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