梅雨明け間もない7月末、南アルプスの仙丈ヶ岳と甲斐駒ケ岳に登ってきました。
今回は三日目の甲斐駒ケ岳編です。前日よりも1時間早起きをして朝4時すぎに長衛小屋を出発し甲斐駒ケ岳に登ってきました。
本山行の記事リストはこちらです。
・南アルプス仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳【パッキング編】
・南アルプス仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳【星降る夜編】
・南アルプス仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳【花盛りの女王 仙丈ヶ岳編】
・南アルプス仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳【猛々しい貴公子 甲斐駒ケ岳編】(本記事)
・南アルプス仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳【山パスタ編】
・南アルプス仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳【山スイーツ編】
登山情報
【日時】2014年7月28日~7月30日
【天気】3日間とも晴れ
【目的地】仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳
【駐車場】仙流荘無料駐車場(約350台)
【トイレ】仙流荘バス停、長衛小屋、北沢峠他
【バス】南アルプス林道バス時刻表・運賃
【コースタイム1日目】13:25北沢峠‐13:40長衛小屋
【コースタイム2日目】5:09長衛小屋-5:40二合目‐6:50大滝ノ頭‐8:08小仙丈ケ岳‐9:22仙丈小屋‐10:03仙丈ヶ岳11:18‐11:45仙丈小屋水場‐12:25馬の背ヒュッテ‐12:41薮沢小屋‐13:06大滝ノ頭‐14:10長衛小屋
【コースタイム3日目】4:18長衛小屋‐4:45仙水小屋‐5:20仙水峠5:35‐6:42駒津峰6:55‐7:28六方石-7:34直登巻き道分岐-8:15甲斐駒ケ岳9:20‐9:37摩利支天分岐-10:22駒津峰10:35‐11:00双児山11:10‐12:27北沢峠‐12:38長衛小屋
【同行者】mikio skydog様(本文中ではMさんと記載)
3日目の朝
2日目は4時起きで5時すぎに出発し14時過ぎに長衛小屋に戻ってきました。今日は帰りの最終バスが16:00ですので、遅くとも14:00には戻ってくる必要があります。Mさんと相談し、できれば13時に戻ってきて少しゆっくりしようということになり、昨日より1時間早い3時に起きて4時過ぎに出発することにしました。
朝食は簡単に済ましてサブザックをパッキングします。今日はお昼も持っていくのをやめ行動食で済ませることにしたのでザックもだいぶ軽くなりました。一眼もザックにしまい、道すがらの写真はスマホで撮ることにします。
・水 3L
・レインウェア
・トレイルミックス
・マグカップ
・トレッキングポール
・防寒着(フリース上、手袋)
・タオル
・Kiss X7
※地図はポケット。
長衛小屋-仙水峠
4:18長衛小屋を出発。
仙水小屋を経由してまずは仙水峠を目指します。
昨日の仙丈ヶ岳と違い、しばらく樹林帯の緩やかなトレイルが続きます。
30分ほどで仙水小屋の到着しました。
ひと声かけてお水を1杯いただきました。冷たくて美味しいです^^
広くはないようですがテン場もありました。甲斐駒に登るときはここで幕営するのもいいかもです。
しばらくまた樹林帯の中を歩きます。このあたり苔生すトレイルになっていて時間があればゆっくり写真を撮りたい、とても雰囲気のいいところでした。しかし今日はあまりのんびりしていられないので先を急ぎます。
樹林帯を抜けると突然現れたのがこのゴーロ状の岩場です。ゴーロ上というのは音感どおりに大小の岩がゴロゴロしている状態のことを言うそうです。
岩場の裾を歩きます。登山道の岩はそれなりに安定しているようで歩きにくくはありませんでした。
ハクサンシャクナゲも咲いていました。
振り向くと仙丈ヶ岳がモルゲンロート状態?!肉眼ではそれほど赤くありませんでしたが、写真だと赤く見えますね^^影が仙水峠の形になっていて、右側は摩利支天のぽっこりした形がわかります。
5:20仙水峠に到着。約1時間歩きました。
仙水峠から駒津峰は急登を1時間半登らなければならないため、仙水峠で小休止します。
とりあえずアミノバイタル飲んで、キットカットバーも食べました。
仙水峠には1962年3月30日に遭難した浦和高校の原口国秋君の碑がありました。山で死んだらアカンよね。
摩利支天が大きく見えます。
反対側にはオリベスク。
仙水峠-駒津峰
仙水峠から駒津峰は樹林帯の中を直登していきます。1時間半ぶっ通しの急登が続くなかなかハードなところです。
実はこういう急登は意外と嫌いではありません。もちろんスタミナが残っていればの話ですがwこの日はまだ1時間しか歩いていないのでこの急登も調子よく登ることができました。
途中視界が開けたところに出ると絶景が広がります。
昨日登った仙丈ヶ岳。
これから登る駒津峰と甲斐駒ケ岳。
鳳凰三山の横から富士山が顔をのぞかせています。
北岳も見えました!今年はあの山にも登りたいです!
6:42駒津峰到着です。1時間半かからずに駒津峰まできました。
もしも奥多摩にこの山があったら百名山に入ってもおかしくないだろうと、Mさんが言われてました。確かにそうかもしれませんね^^山頂からはすばらしい360度の絶景が広がります。
富士山、北岳方面のパノラマです。クリックすると大きくなります。
北アルプス方面のパノラマです。クリックすると大きくなります。
※つなぎ目がおかしくなっているところあります。
駒津峰‐甲斐駒ケ岳
駒津峰から一旦下りいよいよ甲斐駒ケ岳に登ります。
まずは巨大な岩、六方石のあるところに出ました。人間の3倍くらいの大きさがあります。
さらに進むと直登ルートと巻き道ルートの分岐に出ました。
直登ルートは山と高原地図では赤の破線になっています。赤の破線の意味は以下のように説明されています。
岩稜などの危険箇所や藪などの迷いやすい箇所を含んだ経験者向きの登山道(参考:山と高原地図|地図とガイドブックの昭文社)
破線ルートを歩くことはあまりありませんが、破線は危ないから歩くべきではないと頭ごなしに決めつけるべきではないとは思っています。ただ、今回自分にとっては甲斐駒ケ岳ははじめての登山でもあるので巻いていくのが安全かなぁと思っていました。
Mさんは「女の子でも登れるところだから」と言って直登ルートを勧めます。「いやいや、それってバリバリのクライミング山ガールな女の子のことじゃね?」と思い、自分は巻き道の方に気持ちが傾いていました。
ところがです。自分たちの前を中学生の集団が歩いていたんです。彼らは当然のように直登ルートに入っていきました。会話を聞いていると生徒たちの中にははじめて甲斐駒ケ岳に登る子供たちもいるようでした。
あー、そうですかぁ。それなら彼らに先導してもらって直登ルート行ってみますか。
ようやく覚悟が決まり直登ルートに歩を進めました。
先行する中学生たちと甲斐駒ケ岳。
登るのに必死だったので直登ルートの迫力を表すような写真は全く撮っていませんでした。これは直登ルートから歩いてきた道を振り返ってみた写真です。こんな感じのところを歩いてきたわけです。
直登ルートのイメージはこんな感じでしょうか。(※あくまでイメージですので正確な登山道は表していません。)
岩場を登り切ると、花崗岩のざらけた山肌を歩きます。岩場自体は登ってしまうとあっけなく終わってしまった印象です。僕のような技術のない初心者でも、しっかりと手と足で支えながら歩いて行けば問題なく登れます。
ざらざらとした山肌にもタカネツメクサが咲いていました。このあたりの花崗岩の雰囲気は燕岳に似ていて独特です。
8:15甲斐駒ケ岳到着しました。巻き道を歩くよりも短い時間で登頂することができました。
山頂からの景色はまさしく絶景です!
甲斐駒ケ岳からみた鳳凰越しの富士山。
甲斐駒ケ岳からみた富士山と北岳。
甲斐駒ケ岳からみた北岳、間ノ岳方面。
甲斐駒ケ岳からみた仙丈ヶ岳。
鳳凰越しの富士山のアップ。
甲斐駒ケ岳山頂。
甲斐駒ケ岳からみた摩利支天。
甲斐駒ケ岳からみた鋸岳ルート。
甲斐駒ケ岳‐駒津峰
甲斐駒ケ岳からは巻き道で下ります。巻き道はかなり滑りやすいのでストックを使いました。
竹宇方面に降りて行くとMさんお気に入りの尾白川の流れる白州キャンプ場まで行けるようです。標高差2,200メートルくらいでしょうか?生涯歩くことはないと思いますw
摩利支天への分岐。時間ががあれば寄ってみたいですが今日はスルーです。
それにしてもこの巻き道はとても滑りやすく歩きにくいです。下りなので余計に滑りやすいでしょうが、登りも結構大変なんじゃないかと思えてしまいます。直登ルートで大正解だったと思いました。
そして本日最大の難所はこの後にありました。
それは六方石を過ぎた後の駒津峰への登り返しです。
国土地理院の地図を引用すると、六方石から2752のピークまでの登り返し、これがキツかった。六方石の標高が2713メートルですからわずか40メートルの標高差しかないはずですが、疲れた体にこの登りが今日イチこたえました。
10:22ようやく駒津峰に戻ってきました。
駒津峰‐双児山
駒津峰からは歩いてきた道を戻ることもできますが、双児山経由の尾根道を歩いて北沢峠に戻ることにしました。
駒津峰から双児山方面に降りてきた道。小さな石ころがたくさんあり少し歩きにくい登山道でした。
この先は樹林帯の中に入り、双児山に向けゆるやかな登りが続きました。
11:00双児山到着。スマホの充電も切れ写真はありません。
双児山‐長衛小屋
双児山から北沢峠を経由して長衛小屋に戻ります。
樹林帯の中をひたすら下り続けようやく北沢峠に出ました。
12:38に長衛小屋に戻ってくることができました。
ソライロノート
花盛りの優しい山容を見せてくれた仙丈ヶ岳と違い、花崗岩に覆われた甲斐駒ケ岳は猛々しい貴公子といったところでしょうか。女王と貴公子はまさに南アルプスのベストカップル(死語?)ですね^^二日間共に最高に気持ちのよい山登りでした。
今回のMVPは中学生でしょう。彼らがいなければ直登コースは選ばなかったと思います。感謝です。
登りは直登コース、下りは巻き道を歩きましたが、次甲斐駒ケ岳に登るときも間違いなくこのルートを選びます。理由は巻き道はとても歩きにくいからです。危険度という点でも、巻き道にも足を踏み外せば危ない箇所もあるという点では直登コースとさほど変わらない危険度があるように思えました。だとしたら短時間で登頂できる直登コースを慎重に手足を使って登っていく方がいいと思いました。あくまで私見ですが。
駒津峰からみた景色と甲斐駒ケ岳山頂からの景色にそれほど大きな差はないかもしれません。違いは八ヶ岳方面の視界が開けている点でしょうか。それでも駒津峰から引き返す人は誰一人いません。みなあの険しい甲斐駒ケ岳山頂を目指して登っていきます。
すれ違った子連れの女性がおっしゃってました。
それでも登るのが山だから。
これに尽きるでしょう。
最後に同行していただいたMさんことmikio skydog様に感謝です。おかげで今回も楽しい登山ができました。ありがとうございました。
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