夏山テント泊!槍穂を眺めながら蝶ヶ岳、常念岳縦走の2日目です。朝早く蝶ヶ岳ヒュッテを出発し、槍穂の展望を眺めながら常念岳を目指し、前常念岳を経由して三股登山口に下山します。
なお、本山行の記事一覧はこちらになります。
・準備・パッキング編
・蝶ヶ岳登山編
・蝶ヶ岳の夜編
・常念岳登山編(本記事)
・山ごはん編
動画はこちら。
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登山情報
【日時】2015年7月26日~27日
【天気】1日目:晴れ、2日目:晴れときどき霧
【目的地】蝶ヶ岳(2,677m)、常念岳(2,857m)
【駐車場】三股登山口駐車場(無料、70台くらい)
【トイレ】三股登山口駐車場、蝶ヶ岳ヒュッテ
【1日目コースタイム】
5:35登山口駐車場-6:00三股登山口6:04-8:11まめうち平8:19-11:48蝶ヶ岳ヒュッテ(ランチ)14:13-14:18蝶ヶ岳14:31-14:39瞑想の丘14:52-15:00蝶ヶ岳ヒュッテ(テント泊)
【グレーディング】同コースのグレーディング情報なし。ルート長約17km,累積標高差約2.0km
装備
そろそろ夏山に泊まりに行こう!と思っていたのですが、なかなか場所が決まりませんでした。 第一条件としてはやっぱり展望のいいところがいいです。 次に適度な歩きごたえ。といってもテントを背負って歩けるレベル。 そしてま[…]
今日の予定
朝3時に起きましたが、相変わらず不安になるくらいの強風が吹いてます、、
とりあえずコーヒーを入れて今日の行動計画を考えてみよう。
外でとても火が使える状況ではないのでテント内でお湯をわかします。
もし今、強風でテントフレームが折れてテントが潰れたらかなりヤバイよなぁ、、、とかつい悪い方に考えてしまいます。
それでもコーヒーを口に入れると少し落ち着きます。
さて、本日の予定はどうしよう??
ここ蝶ヶ岳ヒュッテのテン場はdocomoの電波が入ったので最新の天気予報を確認してみます。午前中は天気が良いが午後から雲がわきにわか雨も。夜には雷雨になる可能性もとあります。
なるべく遅くならないように下山したほうが良さそうです。
当初は4時にはテントを撤収して歩き出したいと考えていました。しかし強風吹き荒れる中、しかも真っ暗闇の状態でテントを撤収するのはリスクが高いような気がしてきました。もし大事な道具が風で飛ばされでもしたら大変です。
少し明るくなってきてからテントを撤収した方がやりやすいと思うので、のんびりはできないけど慌てて撤収するのはやめようと思います。
今日のコースは比較的長いです。標準コースタイムで10時間15分あります。
蝶ヶ岳ヒュッテ-(2時間5分)-2592Mピーク-(2時間20分)-常念岳-(1時間)-前常念岳-(4時間50分)-三股登山口駐車場
※()内は標準コースタイム
朝4時に出ても14時25分、5時に出たら15時25分です。休憩を1時間半取ると考えると17時になります。ただ、下山は標準タイムより早く歩けるでしょうから16時。休憩は1時間にすれば15時半。このくらいを目標にしておこう。
ホントはもう少し余裕を持って歩きたいところなんですけどね^^;
もし常念岳までで体力的にきつかったり、何かあった場合は常念小屋に泊まることにします。あんまり手前でやばそうだったら蝶ヶ岳ヒュッテに戻るというのもありでしょう。蝶ヶ岳ヒュッテを出てから1-2時間でその判断をしておいた方がよさそうです。
いろいろシュミレーションしながら本日の予定を立てました。
蝶ヶ岳ヒュッテの朝
そんなわけで、朝は慌てて出発するのはやめ、少し明るくなってきてから撤収の準備を始めました。時間は4時過ぎくらいです。
強風が吹く中でテントをたたむのに一苦労です。
そうこうしてるうちにだんだんと夜が明けてきます。
三脚にカメラをセットしましたが、ろくにシャッターを切らずに撤収作業を優先しました。
ときどき日が出る方向を見つめます。
そろそろかなぁと思ってもなかなか出てきませんが、登り始めてからは早いですよね。
日の出の瞬間というのは、いつでも新鮮で心が洗われるようです。
こんな朝を迎えたら今日も間違いなくいい一日になりそうですよね!
うっすらですが槍ヶ岳も染まってくれました。
パッキングもなんとか終わりました。
そうそう、出発時の登山口で下りもキツイのでヒュッテで水をたっぷりと持っていくようにというアドバイス、忘れていませんよ。3Lの水を持ったので足りるんじゃないかと思います。
蝶ヶ岳ヒュッテのテン場、風が強かったですが槍穂の展望は最高!いいテン場でした。またいつか来てみたいです。
名残惜しいですが常念岳に向けて出発です!時間はちょうど5時でした。
蝶ヶ岳ヒュッテ-蝶槍-2592Mピーク
今日は時間の余裕があまりないので元気なうちにガンガン歩いておこうと思います。
こうやってみると常念岳への登りが結構きつそうです。そこを超えれば後は下るだけでしょう。
進行方向左手には朝の優しい光に照らされる槍穂の展望。
常念までずっとこの展望を見ながら歩けるとしたら、疲れなんか感じてるヒマないかもですね^^(実際は途中の樹林帯からは槍側が見えません)
北穂と大キレット。今頃あそこを歩いてる人もいるんでしょうねぇ。
まぁ自分は大キレットを歩くことは生涯ないでしょうが、北穂にはまた行きたいですね。今度はテン泊で。
チシマギキョウにも朝の光があたりはじめます。
こちらはトウヤクリンドウの蕾です。
30分も歩かないうちに横尾分岐に出ました。
ここを下っていけば上高地に抜けられるようです。今度蝶ヶ岳に来るときは上高地アクセスもいいかもなぁ
昨日の疲れが抜けきってはいないですが、体調は悪くなさそう。
展望も素晴らしく気持ちのよいスタートができました。
振り返ってみると富士山も見えました!
富士山の右側は甲斐駒でしょうか?
更にその右側に見えているのは北岳でしょうか?
左には八ヶ岳も見えています。
そしてなぜか蝶ヶ岳の三角点がこんなところにあります。
三角点とおひさま。
槍ヶ岳アップも。
手前が東鎌尾根、右が北鎌尾根、左に見えているのは槍ヶ岳山荘だと思われます。
1時間かからずに蝶槍に到着。
蝶槍からの展望です。
朝ごはんをまだ食べていなかったので、この展望が見えているうちにどこかで食べようかと思っていたのですが、もう少し先でいいかなぁと思っていました。
もうしばらくこの展望が続くだろうと、、、
しかし、蝶槍から先はしばらくこの展望からお別れでした。
この先は樹林帯に入り、展望に変わり高山植物が目を楽しませてくれました。
シロバナグンナイフウロ。
イブキトラノオ。
カラマツソウ。
マルバダケブキ。
テガタチドリ。
ニッコウキスゲも咲いています!
もはや樹林帯というよりお花畑の様相です^^
花が開きかけなのは朝だからでしょうか?
名前の分からない白い花。たくさん咲いてました。
袋から葉と花が飛び出してるみたいで面白い^^
マルバダケブキの蕾で羽を休めるトンボ。
このお花畑からは先ほどまでいた蝶槍がよーく見えます。
そして富士山も。ニッコウキスゲと一緒に^^
こっちは蝶槍とニッコウキスゲ。
やばい、、花撮りが楽しくて前に進めなくなってきた、、、しかもお腹もすいてきました。
んーどうしよう、、、と思っていたところ、ちょうど2592Mのピークに到着しました。少しスペースがあり休憩ができます。
よし、ここで朝食を食べよう!!
朝食は特製ソライロパンケーキでした^^
時間があんまりないとかいいながら、、時間をかけて作ってしまいました^^;
急いで頬張りながら食べてたら通りがかった登山者に笑われました、、、w
めっちゃお腹いっぱい^^常念岳への急登もこれでがんばれる!?
ふと前を見ると、蝶槍方面が真っ白。
一瞬でガスは晴れましたが、お天気が崩れて来るかもしれません、、
2592Mピーク-常念岳-三股分岐
今のところ常念岳方面は青い空が見えます。
槍の展望とも再会。こちらは少し雲が増えてきました。
いつまでもこのお天気は続かないかもしれないですね。
遊びの時間は終わりにして先を急ぎましょう。
一旦カメラをしまい黙々と歩きました。2512Mピークに到着です。
常念岳と槍穂の展望。
※クリックするともう少し大きなが画像が見れます。
ここからがいよいよ本格的な常念岳への登りになるようです。
目の前の常念岳、ものすごい迫力です。
手前の尖ったピークが山頂だったらもうひと踏ん張りといったところですが、常念岳のピークは左後ろです^^;
岩稜帯で浮石もあり歩きにくい道が続きます。
後ろを振り返れば、蝶槍、蝶ヶ岳へと続く今日歩いてきた稜線が見えます。
ここの登りがキツイです。息も切れてきました。
今まで気にかからなかったザックの重さを感じ始めます。足取りが重くなります。
また振り返り登ってきた道を眺め、「こんなに登ってきた俺すげー!」と、がんばってる自分を褒めてなだめすかせながら歩きます^^
ふと脚元を見ると、一輪だけ咲いていたキバナノコマノツメに癒やされます。
もう少し、あと少し、と思いできるだけ立ち止まらずにゆっくりゆっくり歩を進めました。
そしてついに山頂です!!
常念岳山頂で「はぁ~、疲れたぁー!」って連呼していたら、途中会話をされた方々に「そんなに疲れたの?」と笑われる始末、、、みなさんあんまり疲れてないご様子でケロッとされてます。
いやはやすごいなぁ、、^^;
山頂近くの岩陰に咲いていた黄色い花が綺麗でした^^
常念小屋に向かう人が多いようでしたが、自分は予定通り三股に下山します。これ以上登りが続くようならかなり厳しいですが、下りならまだまだ歩けそうです。
三股分岐の道標まで来ました。
ここでこの展望ともお別れ。
名残惜しいなぁ、、、
そうだ!最後にこの展望を眺めながらコーヒーを飲んで軽くお昼を食べておこう。
最後の山コーヒー(インスタント)です。
昨日巻いておいた春巻きも焼きました(写真なし)。
三股分岐-前常念岳-登山口
ちょうど三股に向けて下ろうとしている登山者に、三股から登ってきた登山者が話しかけています。
「今から三股に下るんですか?すごい健脚なんですね!」
えっ!??
それって今から三股に下るのは健脚じゃなきゃ難しいってことですか?
現在時刻は11:00です。目標時間より30分ほど遅れていますが、、、自分的にはまぁ大丈夫なんじゃないかと思っていたのですが、ちょっと不安になります。
時間以上に心配なのが天気の崩れです。雨が降ってきたり、雷雨にでもなったりしたらたまりません。
早いとこ稜線から樹林帯の中に入ってしまいたいところです。
余計なものを全部ザックにしまってここからはひたすら歩きましょう!
前常念まで岩稜帯が続いています。
あたりは完全にガスってきました。こんなところで雨でもふってきたら滑りやすくって大変です。
文字通り駆けるようにして歩きました。岩稜帯の下りは濡れていなければそれほど歩きにくくはないです。
とにかくがんがん飛ばします。
数少ない撮った写真。なんかアシカみたいな岩だなぁと思って。
40分ほどで前常念の三角点に着きました。
よしよし、いい調子だぞ!
これが歴史のある石室というやつ。
さきを急ごう!と思ったら急にハイマツ帯の中から何かが飛び出しきました!?
あっ!
ライチョウさんだーばーど!!!
「こっちにおいでよ!」と言わんばかりに、登山道を下っていきます^^
追いかけたいわけではないのですが、登山道を下っていくので逃げるライチョウを追いかけてるみたいになってしまいましたが、、、決して天然記念物をいじめているわけではありません!
するとライチョウさんはお構いなしで、ちょっとしたくぼみに腰を据えてなにやらおっぱじめました。
足で砂を掻いていたかとおもったら羽をばたつかせます。
最初何をしてるのかよくわからなかったのですが、どうやら水浴びならぬ砂浴びをしているようなのです!
なんだこれ?超かわいい!!!
羽の上にのっている砂は僕が砂をかけたんじゃないですよ!ライチョウさんが自分で羽をばたつかせて砂を自分にかぶせたんです。
ライチョウってこんなことするんですね。初めて知りました。
言葉で説明しにくいので、動画載せておきます。
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こっちはまた別のライチョウさん。キリッと凛々しいお姿です。
眼の上の赤い肉冠が目立つのはオスのようです。
やばーい!ライチョウさんと遊んでいたら時間をくってしまいました。
急げー!
山行で唯一みかけたハクサンシャクナゲ。
そして最初飛ばしたせいで、すぐに疲れてしまいました^^;
それでも天気が崩れる前に樹林帯の中に入ることが出来ました。
ギンリュウソウみっけ。
標高を下げてきたら返って天気が回復してきました。暑くて喉が乾きます。
3Lも持っていた水も残りがだんだん少なくなってきて心細くなってきました。大切に飲まないと。
後はもう、足の裏に蓄積した疲労との戦い。
なんとかだましだまし歩をすすめ、15時半頃には三股まで帰ってきました。
2日目コースタイム
5:01蝶ヶ岳ヒュッテ-5:26横尾分岐-5:45蝶槍-7:00 2592Mピーク7:46-8:12 2512Mピーク8:17-9:58常念岳10:20-10:30三股への分岐11:00-11:42前常念岳-15:38登山口駐車場
【歩行時間】蝶ヶ岳ヒュッテ-常念岳:4:06(4:25)、常念岳-登山口:4:38(5:50)
※カッコ内は標準コースタイム
ソライロノート
2日目の見どころは、雄大な槍穂の展望を眺めながら歩く稜線でした。
この稜線歩きは最高に気持ちよかったです!いつまでもいつまでも歩いていたい、そんな気持ちにさせてくれました^^
自分的な山場は(記事ではあまり伝わらないと思いますが)、常念岳への登り、かなりキツかったです。この辺は自分のスタミナ不足を痛感します、、最後はかなりヘロヘロになってました^^;
そして最近ご縁のなかったライチョウさんに久しぶりに会えただけでなく、キュートな砂浴び芸をみせて貰えてたこと。なんとも愛らしかったです^^
三股への下山道は単調でとても長く感じました。おそらく逆コースの三股から前常念はかなりハードな登りなんじゃないかと思います。水も足りてよかったですが、最後は150ccほどしか残っておらず結構ギリギリでした^^;
2日間を通して何よりも天候に恵まれたことに感謝感謝です。
蝶ヶ岳ヒュッテのテン場では強風に襲われましたが、テントが壊れることもなく大事に至るほどではありませんでした。今まであんまり意識していませんでしたが稜線のテン場ではテントを張る場所の重要性を痛感しました。
そして
やっぱりテント泊って楽しいですね!
衣食住をすべて背負うことで、このままどこへでも、どこまでも歩いていける自由を手に入れたような錯覚に陥ります。まぁそれは間違いなく錯覚であり、あくまでも限定された状況での自由に過ぎないのでしょうが。それでもそんな限定的な自由をおもいっきり楽しむことができ、とても濃密で充実した2日間となりました。
次は、今回稜線から眺めていた山に
ぜひとも挑戦したいなぁと思っています^^
本山行の記事一覧はこちらになります。
・準備・パッキング編
・蝶ヶ岳登山編
・蝶ヶ岳の夜編
・常念岳登山編(本記事)
・山ごはん編
動画はこちら。
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