先日、井上真央主演の映画「白ゆき姫殺人事件」を観てきました。
最初に絵について触れておきます。これは城野美姫役の井上真央さんです。描いててなんか違うなぁと思ったのですが軌道修正できませんでした。ちょっと目が似てませんねw
この映画、原作は映画「告白」も話題になった湊かなえです。「ゴシップエンターテイメント」とか「湊かなえがネット炎上をテーマに挑む傑作サスペンス」とか言われています。
告白は前評判とかあんまり知らずに観たのですがすごい衝撃的で、しかもものすごく後味の悪い作品でした。後味が悪いからといってダメな作品というわけでありません。引き込まれる物語、強烈なインパクト、そして観た人に何かを残す映画だったと思います。
今回の「白ゆき姫殺人事件」は一体どんなインパクトがあるのか、ミステリーがそこそこ好きな自分的には大きな期待を抱いて映画館に行きました。
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映画情報
原作:湊かなえ著『白ゆき姫殺人事件』集英社刊
監督:中村義洋
出演:井上真央、綾野剛、菜々緒、蓮佛美沙子、貫地谷しほり、谷村美月、金子ノブヒロ、染谷将太
公式サイト:映画『白ゆき姫殺人事件』オフィシャルサイト 2014年3月29日公開!
twitter公式アカウント:白ゆき姫殺人事件 (shirayuki_movie)
劇中に出てくる赤星のアカウント:RED_STAR (RED_STAR_07)
映画のおおまかなあらすじ
長野県しぐれ谷で美人OL三木典子(菜々緒)が殺される。テレビディレクター赤星雄治(綾野剛)は証言を集めツイッターに投稿するとネット上でも憶測を呼ぶ。同僚たちの証言から同僚の地味なOL城野美姫が容疑者として浮上する。赤星の情報を元にワイドショーでは城野美姫が犯人であるかのように放送される。はたして真実は・・・
予告編動画はこちら。
感想
この絵は主人公城野美姫の後輩狩野里沙子(蓮佛美沙子)です。この女優さんよく知らないのですが、ちょっとガッキーに似てるなぁと思いました。髪型のせいかもしれません。とてもきれいな女優さんだったので描いてみました。
さて物語につていですが。
映画は「冒頭の5分ですべてを見せろ」とガンダムの富野由悠季監督は言っていましたが、いきなり最初からインパクトのあるシーンから始まります。それは美人OL三木典子(菜々緒)が殺されているシーンなのですが、とても綺麗なのです。たった今死んだところのようでまだ血が溢れでていました。そんな死体が綺麗というのは不謹慎かもしれませんが、それでもやっぱりとても美しいのです。
その場には犯人の足の影が映っているのですが、それが男なのか女なのか、どんな容姿なのかは全くわかりません。
そこから物語は始まります。
そして何といっても湊かなえの作品です。話が進むにつれて物語自体にどんどん引き込まれていきます。そこにtwitterといういかにも現代的なツールが映画の中で出てきます。派遣社員のテレビディレクター赤星雄治(綾野剛)が、事件のことを調べてtwitterでつぶやくのです。いわゆる炎上という状態も映画の中で描かれています。
ワイドショー、派遣社員、SNS、炎上、なんとも現代的です。そういうのを真正面から描くのは作家としても非常に勇気がいるのではないでしょうか。
twitterの描かれ方はなんかは非常にリアリティがあります。あぁ、こういう風に気軽な気持ちでつぶやいちゃいけないことをつぶやいてしまうことってありそうだなぁ。というか自分もやってないだろうか・・・とある意味怖くなります。何をつぶやくのはよくって何をつぶやくのはダメなのか。すべては自己責任、自己判断に成ります。
SNSのあり方というのは自分もときどき考えます。
意味のないことをつぶやくのは、本当に意味がないと思います。
SNSはメディアです。個人が世界に向けて発信できるメディアだと思います。だから自分が発信できる情報を世界に向けて発信しようと僕は考えてます。自分が発信できる情報=自分が責任を持って発信できる情報と言うべきでしょう。もちろん、それは多くの人に有益でなくてもよいのですが、誰かにとって有益であってほしいと思います。
映画の話に戻ると、赤星は自分が知った情報を、みんなの注目を集めるため(あるいは特に考えもなく)そのままツイートしました。そこには倫理も責任もありません。しかしそのことにより(他にも要因はあるが)一人の人間がどういう結果になったのかは映画を観た人ならわかるでしょう。
他の要因の一つはテレビです。テレビの衰退ということが言われるようになって久しいですが、それでもテレビの力、影響というのはものすごいと思います。
湊さんはテレビ、そしてSNSというメディアのあり方を問うているのだと思います。
この映画のもう一つの見どころは、城野美姫という女性を中心とした人間模様でしょう。城の美しい姫という白ゆき姫のような名前を持った地味な女性の人生。本当に白ゆき姫のように容姿端麗な三木典子の送った人生。人によって語られる事実が変わっていきます。人間というのはそれぞれ自分の目で自分に都合のいいように世界を解釈して、都合のいいことだけ覚えているのでしょう。
「人は自分の都合のいいように記憶をねつ造する。」
これは主人公の少女時代の親友夕子(貫地谷しほり)の言葉です。
最後に井上真央さんについて一言。
とても地味なOL城野美姫を好演してました。こんな地味な役ができるんですね!
この城野美姫という主人公は本当に地味でしみったれてて冴えないんです。殺された三木典子との対比でそういう女性として描かれてます。
そんな井上真央の今までの印象には似合わない女性を井上真央がとてもうまく演じてました。この人は元々こういう女性なんじゃないかと思ってしまったくらいです。さすが女優といったところでしょうか。
もう一人、貫地谷しほりさんも存在感ありました。そして貫地谷しほりさんと井上真央さんとの絡みで、NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」でも取り上げらている「赤毛のアン」が物語にリンクして来ます。湊かなえと「赤毛のアン」というのはとても意外な取り合わせですが、これがとてもよかったんです。「赤毛のアン」がこの物語の救いとも言えるのではないでしょうか。
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ソライロノート
「白ゆき姫殺人事件」は人間の嫌な部分を見せつけられた気がしますが、「告白」ほど後味は悪くないです^^
そしてもうひとつは人々の生活の中に深く根付いているメディアについて。テレビといういまだに巨大な力を持ち続けているメディア。もう一つは個人が情報を発信するSNSというメディア。どちらも使い方次第で人を傷つけたり貶めたり人生をめちゃくちゃにしてしまうほどの暴力的な力を持っています。メディアをどのように関わっていくのか、どう使っていくのか一人ひとりに問われている映画だと思いました。