以前からずっとやってみたいと思っていたのですが、なかなか踏ん切りがつかずにいました。
去年の年末についに重い腰をあげ、my favarite クッカー「trangia メスティン」のコーティング作業を某社(※後述)に依頼致しました。
年が明けてついにコーディングされたメスティンが帰ってきたのでご紹介します!
メスティンをコーティングする意味
メスティンは飯盒用のクッカーで、材質はアルミ製です。熱効率がよく、内圧がかかりやすい構造になっており、アウトドアクッカーを使う多くの方たちに認められる、すぐれた飯盒クッカーです。しかもこの特徴は、パスタを茹でるのにとても適しており、わたしは山パスタクッカーとしても重宝しています。
このままですばらしいクッカーなのですが、唯一の弱点は、メスティンは炒めものには向かないところです。
食材を炒めたり、焼いたりすることも全くできないわけではありませんが、食材がくっついてしまい、焦げつく可能性が高いです。コーティングされたフライパンなら食材がくっつかずによく滑り、焦げ付くこともまずありません。
「飯盒クッカーで炒めものをするのが、そもそもおかしい!」
という指摘はごもっともだと思います。でも、クッカーを複数持っていくのは大変なので1つのクッカーで飯盒も炒めものもできたら最高ですよね!
そんなメスティンの弱点を克服する方法として、メスティンをコーティングするという手段があることは以前から知ってはいました。
しかしお値段もそれなりにかかりますし、いくつかコーティング方法もありどれがいいのやらよくわからないということもあり、今までは二の足を踏んでいました。
メスティンコーティングの種類
調べたところ、ネットで加工注文を受けてくれるところがいくつかありましたが「株式会社 睦美化成」さんにお願いすることにしました。
3種類のコーティング方法があり、いろいろと悩ました。
フッ素樹脂コーティング
セラミックコーティング MCR-X
表面保護目的セラミックコーティング
フッ素樹脂コーティングとセラミックコーティングの違いは?
特性比較表
まずコーティングには内側と外側があります。
「フッ素樹脂コーティング」「セラミックコーティングMCR-X」は、メスティンの内側のコーティングです。
「表面保護セラミックコーティング」は、メスティンの外側のコーティングになります。
ここで注意点は、内側を「フッ素樹脂コーティング」、外側を「表面保護セラミックコーティング」はセットでできますが、内側を「セラミックコーティングMCR-X」、外側を「表面保護セラミックコーティング」することはできません(技術的な問題だそうです)。
外側もコーティングしたいのであれば内側を「フッ素樹脂コーティング」、外側を「表面保護セラミックコーティング」一択になります。
僕としては外側はどっちでもよかったので、問題は「フッ素樹脂コーティング」「セラミックコーティングMCR-X」の性能です。ポイントは3つあります。
1.非粘着性、すべり性は「フッ素樹脂コーティング」に軍配
2.耐久性は「セラミックコーティングMCR-X」に軍配
3.変形や強度低下への影響は「セラミックコーティングMCR-X」に軍配
炒めものをするときにクッカーに求められることは「食材がくっつかずに焦げつかずに炒められる」ことです。これは言い方を変えると「非粘着性、すべり性」を高めることです。
なので1が最も重要なポイントです。ここだけで決めるならフッ素加工樹脂コーティング1択です。もちろんセラミックコーティングも炒めるのに十分な「非粘着性、すべり性」があるとのことでした。
2の「耐久性」も大事です。すぐにコーティングが剥がれてしまっては悲しいです。やはり1度コーティングしたら、できるだけ長い期間使いたいものです。
また3については多少説明がいるかもしれません。
問題は加工焼成温度です。「フッ素樹脂コーティング」の加工焼成温度は380℃、「セラミックコーティングMCR-X」の加工焼成温度は180℃になります。
「フッ素樹脂コーティング」の方が加工焼成温度がかなり高いです。加工焼成温度が高いということは、コーティングを行うことによってアルミが変形する可能性があるというになります。一般にアルミは250℃くらいで変形してしまうそうなので「フッ素樹脂コーティング」を行うことで変形、強度低下への影響があるかもしれないということになります。
なぜセラミックコーティングにしたのか?
最終的には、炒めるのに十分な「非粘着性、すべり性」があり、「耐久性」も高く、「変形や強度低下への影響」が少ない「セラミックコーティングMCR-X」に決めました。特に「少しでも長く使いたい!」という思いが強かったので。
※フッ素加工がだめという意味ではありません。何を重視するかで個人個人判断が変わってくるところだと思います。
メスティンコーティングをやってみたい方へ
メスティンをコーティングしてみたい!という方がもしいらっしゃったら、株式会社 睦美化成さんにお問い合わせください。
注意点を1つ。
コーティングするメスティンは、できれば新品がいいと思います。
理由は、中古のメスティンでもコーティングは可能だそうですが、こびりついた汚れや傷などがあると、そこのコーティングは剥がれやすかったりするそうです。現在使用しているメスティンが、汚れがないきれいなものなら問題ないですが、心配な方は新品を使用することをおすすめします。
最近はネット等にて加工済みのメスティンを販売している場合もあります。いろいろな手続きもいらないので、そういうのを利用してみるのも手かもしれません。
ちなみにこちらは、トランギア製ではありませんがテフロン加工(フッ素加工)済みのメスティンです。
ソライロノート
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メスティンにかぎらずクッカーのコーティングにご興味のある方は、株式会社 睦美化成さんに問い合わせてみるといいかもしれません。
皆様の山ごはん、山クッカーのご参考の一助になれば幸いです^^