北アルプス縦走、憧れの雲ノ平を歩く3日目です。
なお、本山行の記事一覧はこちらになります。
・準備・パッキング編
・1日目
・2日目
・3日目(本記事)
・4日目
・5日目
・6日目
・山ごはん編
登山情報
【日時】2015年9月19日~24日
【天気】1日目:雨のち晴れ、2日目:曇りのち晴れ、3日目:晴れときどき曇り、4日目:晴れ、5日目:晴れのち曇り、6日目:くもりのち雨
【登る山】祖父岳(2,825m)、水晶岳(2,986m)、三俣蓮華岳(2,841m)、黒部五郎岳(2,839m)、北ノ俣岳(2,662m)、薬師岳(2,926m)
【宿泊地】薬師峠(1日目)、雲ノ平(2,3日目)、黒部五郎小舎(4日目),薬師峠(5日目)
【駐車場】折立駐車場(無料)
【トイレ】折立、各小屋
【水場】折立キャンプ場、太郎平小屋、薬師峠テント場、薬師岳山荘、薬師沢小屋、雲ノ平山荘、雲ノ平キャンプ場、岩苔乗越しから5分下った所、水晶小屋、三俣山荘、黒部五郎小舎、雷岩と黒部五郎ノ肩の間
【グレーディング】同コースのグレーディング情報なし。ルート長約67.2km,累積標高差約5.9km(ヤマタイムで算出)
装備
シルバーウィークに憧れの雲ノ平を歩いてきました。本記事は準備・パッキング編になります。なお上の手書き地図はかなりいい加減なので信用しないでくださいね(念のため)^^;。 雲ノ平は、いつか歩きたいと思っていましたが、1泊や2泊[…]
3日目の朝
3日目は3時半頃に起きました。1日目よりも冷え込みが厳しく感じました。
今日は雲ノ平に連泊することになるので撤収作業がないので楽ちんです。こういう少し余裕があるときに星でも撮っておきましょう。
祖父岳の裾あたりから登ってくるオリオン。
テントも入れるとこんな感じ。下の方は少し雲がありますが、上の方はたくさんの星が見えてました。
すでに行動を開始している方もたくさん。
僕も朝ごはんたーべよ。今日は優雅に星を眺めながらの朝食です^^
さて、昨日の地獄の急登の疲れはそんなには残っていないようで、体の調子は悪くなさそうです。今日は予定通りにいきたいと思います!
3日目の予定
3日目は雲ノ平を出発し高天原温泉(たかまがはらおんせん)へ、温泉に入ったら再び雲ノ平に戻ります。
ルート長は約9.9キロ、累積標高差約610M、標準コースタイムは約7時間32分。1,2日目より歩くルートは長くなります。雲ノ平山荘は標高2650M、高天原温泉は標高2100Mになります。行きは高天原に下り、帰りは登り返しになります。ただ空身でいけるのでそれほど大変ではないのではないかと予想してます。
朝早くに出発して早い時間に温泉を堪能し、お昼すぎくらいには雲ノ平に戻ってきたいです。その後はのんびり休養しようかと。
雲ノ平キャンプ場-高天原温泉
真っ暗な中、5時にキャンプ場を出発!今日はサブザックのみ。背中が軽いなぁ~
日帰りで高天原温泉に行くにはだいぶ早いと思いますが、なんといってもこのSWの行動の要は早出早着です。
うわっ、なんか白い花が咲いてる!?
と思ったんですが、これよくみるとハイマツの葉なんです。どうみても花にしか見えないですよねぇ~
なんでハイマツの葉の先が白く輝いてるんだろう???すごーく不思議に思いました。
後になってこの正体は判明します。この時点でわかる方は鋭い!!
水晶岳方面との分岐。高天原温泉に行くには水晶岳と反対側に、一旦雲ノ平山荘方面に戻ることになります。
わずか数分前まで真っ暗でしたが一気に夜が明けてきます。
雲ノ平への木道です。しばらくは木道歩きになります。
と、いきなり想定外の出来事が、、、、
この木道が恐ろしく滑るんです!!!
自分の目の前を歩いていた人が3回連続で転びました。
慌ててザックの中からストックを取り出します。ストックで支えながら慎重に慎重に歩くのですが、それでもツルンと滑ってしまいます、、、
なんでこんなに滑るんでしょう???
そう、今朝は霜が下りたらしく木道の表面が白くなっていたんです。霜がおりたことによって濡れた木道よりも更に恐ろしい擬似アイスバーン状態になっているんです!!
先ほどのハイマツが白く輝いていたのは、実は霜だったんですね。
あまりにも滑るので足を前に出すのが怖くなります、、((;゚Д゚))
これアイゼンが必要なんじゃね?? と思うくらいw^^;
それくらい滑るんですよ、ホントに。恐ろしや恐ろしや、、、
何度も何度も滑りました。そのたびにストックでなんとか支えて転ぶのを回避。それを何度か繰り返すうちに、この霜のおりた木道の歩き方がだんだんとわかってきました。要は小股でちょこちょこと歩けば滑らないのです。
うん、これだ!
この歩き方に変えてからは一切滑らずに木道をやり過ごすことができました^^
いつもならとても歩きやすい木道に、えらい時間をかけながらようやく高天原への分岐までたどり着きました。
ここから山道に入っていくので、危険な木道とはおさらば。
ふぅー、一安心です^^
山荘方面の雲が少し染まっています^^
足元にはたくさんのかわいいチングルマたち^^
チングルマの紅葉も綺麗です。少し露がついているのがわかるでしょうか?
岩場を少し登るとだんだん見晴らしが良くなってきます。朝モヤの中から水晶岳が現れました!
さすがの存在感です。
こちらは鷲羽岳、祖父岳方面。
うひゃぁ~、雲が光ってかっこええ~
五郎君と隠れんぼ中の笠ちゃんが見え隠れ。
山はところどころカラフルな色がつき、今日は歩いてとても楽しい^^
なんかアンテナみたいのが立ってました。
コロナ観測所だそうです。
前方には薬師岳。
写真の青い方が走るようにしてガンガン進んでいくので、自分も引っ張られるように早歩き~
奥スイス庭園とあります。スイスってこんな感じなの?
色が濃いけどオヤマリンドウですよね?水晶岳をバックに^^
なんかいた!アオムシ君?青くないけど、、w
と、いつの間にかさっきの青い人は見失いました、、、いくら空身でもあの速さについていけん^^;
トレイルは樹林帯の中に入っていき、ガンガン下っていきます。
そしていきなりながーいハシゴが出現!しかも2連チャンだった、、
あまりに下るので帰りが心配だなぁ~
峠に到着で~す^^
峠からは沢に下りていくことになるので、更に下っていきます。
おいおい、ホントに帰りが心配なんだけど、、w
それでも、、、この高天原への道中、僕の心にずーっとあったのは
軽いって素敵♪
という思いでした^^
いやぁ、背中が軽いだけじゃなく足も軽くなるんですよね!これならどこまででも歩いていけそうです。
というかずっとこの状態で歩きたい!
心底そう思いました。
でもこれは今日だけの特別。明日からはまたあのザックを、、、いやいや、明日からのことは考えずに今日のことだけ考えよう^^これから楽しい楽しい温泉が待っています!あともう一息です^^
何度か沢を渡ります。
すれ違った方から聞いた高天原山荘情報によると、昨夜は約200人の方が泊まられたとか。テント装備を担いで来られたからも結構いたそう。布団1枚に3人。「こんな状態じゃ寝れない!」と騒いで、寝袋を出して外に寝た方もいらっしゃったとか、、、
あと、お昼を過ぎると温泉も激混み。今ならまだ大丈夫でしょうということでした。先を急ぎましょう!
岩越乗越との分岐。
ここまで来ればもう小屋は近いはず。
ほどなく山荘が見えてきました!
秋空がいい感じです^^
ナナマカドの向こうに見える稜線はどこの山でしょうか??
などと言ってる間に温泉とーちゃーく!!
高天原温泉
ついについに来ちゃいました。来てしまいました!
温泉です!!
山に入って3日目。随分と歩いてきましたが、こんな山奥で温泉に入れるなんて、、、もうなんと表現して良いのやら、、
沢を渡って少し奥まったところに男湯がありました。ちゃんと荷物を置いて着替えるスペースもあります(写真左)。
ごくらく~ごくらく~♪さいこーです^^
ここ、北アルプスの最奥地ですよ~♪
なんでこんなところで温泉に入れるんでしょう^^
もうこの山行、ここで終わっても悔いなし!いやむしろここで終わりたい!終わりにした方がいいかも!!!
あんまりにも気持ち良すぎてそんな気にさえなってしまいました^^
そうそう、もう一つ入れるところがあります。
沢の向こうの露天風呂。男湯からは見下ろした感じの場所です。あっちにも入りに行きましょう!
はい、着きました。一応こちらは混浴になります。
「野湯」とありました。
こっちはこっちで開放的な感じが気持ちいいです~♪
すぐ横を沢が流れています。というか沢の中にあるという感じですね。
心も体もすっかり癒やしていただきました。これで縦走の後半も乗り切れる!心からそう思えました。
名残惜しいですが、雲ノ平に帰ります。
高天原温泉-雲ノ平キャンプ場
帰りは当然登りになります、、、^^;
これはアカモノでしょうか?赤い実も見えます。
高天原山荘からの景色もふつくしい^^
お腹が空いたので休憩します。昨日作ったおにぎりをいただきましょう^^
エネルギー補給満タン!がんばって歩くぞぉ~
高天原のトレイル。こんなところも歩きます。
北アルプスの短い秋の色合い。
木道は色とりどり^^
顔を上げれば北アルプスの名峰。
心配した帰りの登りもなんのその、軽いってホントに素晴らしい!!あっという間に雲ノ平のテン場に帰って参りました。
テン場にて
戻ってきたテン場で最初にやったのテントの移動です。
昨日テントを張った場所は下に少し水が溜まっていました。1晩過ごして支障はなかったのですが、昨日ほどの混雑がないうちに念のため場所を移動しておきます。
元の場所から10メートル位離れた場所に、テントをたたまずにそのまんま移動です。
移動した場所はこんな感じ。
この後は夕方までお昼寝タイムでした^^
晩ごはん:肉味噌キーマカレー&クスクス
16時頃から晩ごはんの支度を開始。今日のメニューはテント泊の定番、カレーです^^
もちろん肉味噌を使います。ナスと一緒に炒めただけの超簡単肉味噌キーマカレー!レシピはこちら。
北アルプス雲ノ平周遊テント泊の3日目、雲ノ平のテン場で作った肉味噌キーマカレーのご紹介です。 肉味噌麻婆茄子に続き、肉味噌があれば10分でできる簡単山ごはん第2弾です! 該当の山行記事はこちら。 [sitecard[…]
肉味噌キーマカレーをクスクスにだばーします。
はい、肉味噌キーマカレー&クスクスの完成です!マグカップはアオサと肉味噌を合わせたお味噌汁。
黒部五郎ちゃんを眺めながら実食!
うめええええ~っす!やっぱ山でがっつりカレーはいいよねぇ~♪
なんだろう?肉味噌とカレールーだけなんだけど、レトルトでは味わえないふか~いコクと旨み!肉味噌さまさまです^^
行動食用:肉味噌クスクスチャーハン
さらにもう1品!
肉味噌とナスとクスクスを炒めて肉味噌クスクスチャーハン。レシピはこちら。
北アルプス雲ノ平周遊テント泊の3日目、雲ノ平のテン場で作った肉味噌クスクス炒飯のご紹介です。 クスクス炒飯は僕の中では定番の美味しい山ごはんです。そこに肉味噌を使うことでより簡単に作ることができちゃいます。 該当の山行[…]
これはジップロックに入れて明日の行動食に。
雲ノ平の夕暮れ
夕ごはんを食べ終わりテント内でまったりしていたところ
ざわ・・・ざわ・・・
何やらテントの外がざわついているようです。
外をのぞいてみると、、、なんとも綺麗な夕焼け空
みなさん、この夕焼け空にざわついていたようで、、
染まりゆく雲ノ平の空、いいものを見せていただきました^^
3日目は最初から最後まで最高の一日になりました^^
明日の予定
さて、寝る前に明日の予定について考えます。
4日目の最大の問題は「どこまで歩けるか?」でしょう、、、。
まずは水晶岳を目指します。ここは途中でザックをデポし空身で登れるのであまり心配はありません。問題はその後。できれば三俣山荘はスルーして三俣蓮華岳に登り黒部五郎小舎にたどり着きたいところです。要はそこまで歩ける体力が残っているかどうか、これに尽きます。
3日目に温泉に浸り、充分に休息を取ることができました。この温泉効果でどこまで体力が回復できたのか?温泉効果の真価が問われる、、、というか自分の体力次第なのですが、、、w
3日目コースタイム
5:09[雲ノ平キャンプ場]-6:56[高天原峠]-7:32[高天原山荘]-7:47[高天原温泉]8:50-9:12[高天原山荘]9:17-10:02[高天原峠]-11:55[雲ノ平キャンプ場](宿泊)
<標準CTとの比較>※ソライロCT/標準CT
雲ノ平キャンプ場-高天原峠:1時間47分/1時間51分(4分マイナス)
高天原峠-高天原山荘:36分/60分(24分マイナス)
高天原山荘-高天原温泉:15分/20分(5分マイナス)
高天原温泉-高天原山荘:22分/30分(8分マイナス)
高天原山荘-高天原峠:45分/1時間30分(45分マイナス)
高天原峠-雲ノ平キャンプ場:1時間53分分/1時間21分(28分マイナス)
トータル:5時間38分/7時間32分(1時間54分マイナス)
出だしの木道で超スローペースで歩いているときはどうなることかと思いました、、結果的にはだいぶ早く歩くことができました。空身のおかげです^^
ソライロノート
3日目の核心は温泉!今後雲ノ平を歩いてみようと計画される方には全力でおすすめします!
ぜひとも高天原温泉をルートに入れて欲しいです。後悔はさせません!!
文字通り最高でした、、。なんかもうこの山行のクライマックスを迎えてしまったような気さえしてしまいます。
とは言いつつもまだまだ山行は半ば。4日目へと続いていきます^^
今しばらくお待ち下さい(_o_)
※山の名前や花の名前など間違っているかもしれません。もし誤りを見つけられましたらご指摘いただけるとありがたいです(_o_)
本山行の記事一覧はこちらになります。