今回の富士登山の大きな目的の一つ、富士山頂で山パスタの実験をしてきました。
登山の様子はこちらです。
曇り空の富士登山も悪くない2014(須走口)
果たして富士山頂で山パスタは可能なのか?富士山頂でパスタはアルデンテになるのか?
例えば米たきは標高2500メートルを超える芯が残ってしまうという話もあります。
以前に常念小屋のテン場(標高焼く2450メートル)で米を炊きました。純粋な飯盒ではなくフライパンでパエリアを作りました。時間はかかりましたが芯はなくなりました。
パスタの場合、米ほどシビアではないと思いますがどうなんでしょうか?
富士山頂でパスタはアルデンテになるのか?そのときの最適な水の量はどのくらいなのか?
富士山頂で検証をしてきました。今回はより正確を期すために温度計と測りを持っていきました。
実験した環境
場所:富士山山頂の須走下山道の入口付近
標高:約3700メートル
天気:くもり、山頂は視界数メートルくらいのあたりり一面ガス
気温:約0度
風:強い
使用したパスタと水の量
使用したパスタ:マ・マー早ゆで3分パスタ100g
水の量:260cc
パスタはいつもの3分パスタである。
標高0~1000メートルくらいであれば、3分パスタ100gは160ccで茹で汁がほぼなくなる最適な水の量である。今回、余裕をみて100ccプラスして260ccの水で茹でてみた。
沸点の検証
温度計で計ってみたところ、89度以上は上がらなかった。
また茹でるときにオリーブオイルを入れることで温度があがらないか確認してみた。
が、89度でほぼ変化なし。
茹で時間の検証
パスタの芯がとれるまでにかかった茹で時間は次の通りである。
茹で開始:10:41:07
茹で終了:10:48:17
3分パスタの茹で時間:7分10秒
最適な水の量
パスタの芯がなくなった時点で残っていた茹で汁をマグカップにあけてみた。
残った茹で汁の量は:94gであった。茹で汁にはパスタが溶けだしているので94g=94ccではないがその分を差し引いて約90ccくらいではないかと考える。
使用した水の量:260cc
残った茹で汁の量:約90cc
ただし通常10ccくらいの茹で汁は残したいので、今回の場合約80cc水が多かったということになる。
ということは260-80->180cc
標高3700メートルで3分パスタ100gの最適な水の量は約180ccくらいと思われる。
この結果から標高0メートルのときよりも約20ccプラスした水の量で茹でるとよいということになるだろう。
蒸発した水の量
最終的な重さ:439g
メスティン本体の重さ:112g
パスタ:100g
水:260g
ここから蒸発した水の量を計算すると33ccになる。
(112g+100g+260g)-439g=33g
これは平地でパスタを茹でた時に蒸発する水の量とほぼ変わらない。
なのに水の量がプラス20cc必要になるというのは一体どういうことか?
パスタが水分を吸収
それはパスタがより多くの水を吸収しているのである。
これはパスタを食べてみればわかる。普段よりももちもちのパスタ、悪く言えばべちょっとしたパスタになっている。
つまり茹で時間が長くかかる分、より多くの水を吸ってしまっているのである。
美味しいのか?
89度の温度でも普段の倍以上の時間茹でることによりパスタの芯はなくなった。しかし水分を余計に吸収したパスタは、普段の美味しさが半減してしまっていた。
「不味い」まではいかないが、本来のパスタの美味しさの70%くらいしか引き出せていないという感じだった。
課題とさらなる検証
一番の課題は「美味しさ」である。
これに対してはすでにアイディアがある。
・違うパスタでどうなのか?
実はマ・マーは水分を吸収し過ぎるとべたついて美味しくない。しかしディチェコのパスタは長い時間水につけてもべたつかずに美味しい。なので富士山などの標高が高い場所での山パスタに向いていると思うのだ。これはぜひやってみたい。
・ためしてガッテン方式
水に長時間つけておいて、1分で茹でるパスタというのがある。「ためしてガッテン」にて提唱されたので「ためしてガッテン方式」と呼んでいる。
うまっ!次世代パスタ : ためしてガッテン – NHK
ただしこの方式は向いているパスタと向いていないパスタがある。
水に長時間つけるので、今回の実験同様マ・マーは向いていないのだ。
でもディチェコやBarillaのパスタなら美味しい。特にショートパスタが美味しいと僕は思う。
この方式なら短い時間&少ない水で美味しいパスタができるかもしれない。
標高の高い山でもっと美味しいパスタが食べれないか、さらに検証を進めていきたい。
【追記】2015年、富士山頂で冷凍パスタを使って山パスタをしてみました。これはなかなかお勧めです!
富士山頂でパスタを美味しく食べるには冷凍パスタがオススメ!
ソライロノート
今回のソライロポイントはこちら。
・富士山頂でもパスタの芯はなくなる。ただしアルデンテとは言えない。また茹で時間がいつもよりかかり水分を多く含みすぎてしまう。
・富士山頂でパスタを茹でるときの最適な水の量は「3分パスタ100gで180cc」です。平地よりも20cc多くする必要がある。
上記の「課題とさらなる検証」であげた点については、今後標高の高い山にて検証をしていきたいと考えています。
ご参考までに標高以外の山パスタのポイントについては以下の記事でまとめてあります。
失敗しない山パスタ10のポイント
美味しい山パスタを目指して!
皆様の山パスタライフのご参考になれば幸いです^^