白菜の漬物といったら、白菜のキムチ漬けと白菜漬けだろう。どちらもごはんが進む大好きな漬物だが、キムチも白菜漬けもそれなりに手間がかかる(どちらかというとキムチの方が大変である)。一度に大量に作ると、美味しいうちにはやく食べきろうと思い、毎日同じ漬物を食べ続けることになるので、いつもは時期をずらして作り、食べ終わってから次の漬物を作ることにしている。
しかしよく考えてみると、この2つの漬物の作り方はとても似ている。キムチ漬けは最初に白菜を干して乾燥させ塩漬けにしてから、ヤンニョムに漬ける。白菜漬けは干して乾燥させ塩漬けにしてから、塩と昆布に漬ける。つまり最初の干して塩漬けにするところまではまったく一緒で、その後の本漬け工程からそれぞれのやり方で漬ければいいわけで、これなら同時にできそうじゃないか・・・
ちょうど12月頭で、毎年恒例の干し柿作りの最後の渋柿購入のため、大仁のまごころ市場に出かけたところ、うってつけの巨大な白菜が売ってました。
よし、これでやってみよう!
ちなみに別々に作る場合は、こちらの方がわかりやすいと思います(※調味料の分量などが多少違います)。
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大まかな流れ
同時に漬けるやり方は上記のとおりですが、整理しておくとこうなります。
- 白菜を丸ごと干した後、下漬け(3~4日)
- 半分を白菜漬けにする(2~3日)
- 半分をキムチ漬けにする(3~4日)
①は共通です。下漬けが完了したら、半分ずつにわけ②、③で同時に漬けることになります。
材料
下漬けの材料
- 白菜 1株(5.3kg、縦36cm*横24cmくらい)
- 粗塩 干した白菜の3%
白菜漬けの材料
- 昆布 15*15cm
- 鷹の爪 2本
- 塩 白菜の重さの0.5%
キムチ漬けの材料
【キムチのり 】
- 昆布 15*15cm+α
- 水 300ml
- 米粉(もち粉または薄力粉でも可) 大さじ2
【ヤンニョム】
- ★あみの塩辛 大さじ3-4
- ★イカの塩辛 大さじ3-4
- ★イワシのエキス 大さじ3-4(ナンプラーでも可)
- ★りんご 0.5個
- ★にんにく 25g
- ★生姜 25g
- 大根 15cm(1/3本)
- にんじん 7cm(1/3本)
- ニラ 1/2束
- 粉唐辛子 白菜の重さの4%
- 三温糖 大さじ1.5
- いりごま 大さじ2
道具
- 漬物樽やたらい(下漬け用、大きな白菜が入る大きなもの) 1個
- ボール(白菜漬け用、白菜半分が入るもの) 1個
- 大きなタッパー(キムチ用、白菜半分+αが入るもの) 1個
- 重石(ペットボトルや鉄アレイなどで可) 適量
- 中蓋(皿など)2枚
- ポリ手袋(キムチ用)
- 大きめのボウルまたはトレーなど(キムチ用、ヤンニョムを混ぜる)
- ラップ 適量
- ポリ袋 2枚(漬物樽やたらい全体を覆えるもの)
下漬けに使用したのは15Lのたらいです。
ダイソーで150円で購入しました。
漬物の道具選びに迷ったら、こちらを参考にしてみてください!
>> 自家製漬物づくりの必須道具、選び方のポイントを解説
作り方①白菜を干し塩漬けにする
1.白菜を丸ごと2-3日間天日干しにします。
丸ごと干すと時間はかかりますが、より白菜の甘みが引き出されます。
※時間がない場合は、白菜を縦に四等分に切ってから半日干します。
干したあと、白菜を洗い汚れを落としておきます。
2.干した白菜を計量し、外葉をとります。
重さを計ってみると、700g減っていました(5.3→4.6kg)。
外葉をとります。外葉は菜蓋にするのでとっておきます。
3.白菜を縦に四等分に切ります。
白菜を立てて縦に1/3包丁を入れます。
後は手で割きます。
こうすると葉っぱがバラバラにならずにきれいに2つに分かれます。
さらにもう1回縦に包丁を入れます。
手で割きます。
四等分になりました。
4.干した白菜の重さの3%の塩をまぶします。
まず切り口の芯のあたりを中心にまぶします。
次に1枚1枚、葉と葉の間の芯側にまぶしていきます。
残った塩はを上からまぶします。
5.たらいに詰め、菜蓋をします。
桶と違い広口のたらいなので、1段に収まるよう詰めました。1段が無理なら2段でも構いません。
2で外した外葉をかぶせて蓋にします。
菜蓋完成。
6.ラップを被せ中蓋(皿)をし、ビニールをかぶせ、白菜の二倍の重さの重石をし1晩おきます。
ラップを被せます。
お皿を裏返してのせ、中蓋にしました。
清潔な袋で全体を覆います。
白菜の2倍の重さの重石をのせ、下漬けの仕込み完了です。
1晩たち、水が上がってきていればOKです。
作り方②白菜漬け
1.昆布と鷹の爪を刻みます。
昆布はキッチンばさみで細く切ります。
鷹の爪は種をとってから、キッチンばさみで細かく刻みます。
2.塩漬けにした白菜の半分を使います。まず水気を絞ります。
※キムチと違い水洗いはしません。
3.絞った白菜の重さの0.5%の塩をまぶします。
まぶし方は下漬け時と同様です。
4.白菜を容器に詰め、昆布と鷹の爪をまぶします。
ボウルに詰めます。
昆布と鷹の爪をまぶします。
昆布と鷹の爪は白菜の下側にも入れておきました。
5.ラップを被せ中蓋をのせ、ビニールで全体を覆い重石(白菜の2倍の重さ)をして、常温で1晩おきます。
6.水が上がったのを確認し、重石を半分にし、さらに1-2日おきます。
今回は1日のみとしました。
7.1-2日経過したらジップロックにつめ冷蔵します。すぐに食べられます。
白菜漬けは浅漬けの方が好みなので、冷蔵したらすぐに食べ始めなるべく早く食べきります。
作り方③キムチ漬け
1.塩漬けにした白菜の残りの半分を水で洗い、水気を絞り、ザルにあげておきます。
キムチの場合は下漬けした白菜を水で洗います。
軽く絞ります。
ザルにあげ水気を切ります。
2.昆布を30分水に浸けておきます。
3.生姜とにんにくの皮を剥き、りんごは適当な大きさに切っておきます。
生姜は包丁の背でこすります。
にんにくは包丁の腹で潰してから皮をとります。
りんごの皮は剥いても剥かなくてもいいです。
4.にんじんと大根を細切りにし、ニラを3-4cm幅に刻みます。
5.にんじんと大根に軽く塩(分量外)をまぶして揉んでおき、10分たったら水気をしぼっておきます。
ザルにあげ水気を絞ります。
6.昆布の鍋を弱火にかけ、沸騰直前になったら火をとめ、昆布を取り出します。
7.出汁に溶いた米粉を鍋に加え、混ぜ合わせます。
容器に出汁を少しすくって粉を溶いておいたものを加えます。
→ 糊状のどろどろした状態になります。このキムチのりが白菜とヤンニョムをしっかりと絡ませてくれます。
8.★の薬味類(にんにく、生姜、りんご、あみの塩辛、イカの塩辛、カタクチイワシのエキス)をミキサーに入れ、ドロドロになるまで撹拌します。
アミの塩辛
カタクチイワシのエキス
撹拌します。
9.大きなボウルやトレイで白菜以外の材料をすべて混ぜ合わせ、味見をして味を整えます。
薬味類
キムチのり
粉唐辛子
混ぜ合わせます。
混ざったら味見をします。
この段階で味がぼやけていると薄味になるので、味をはっきりさせておきます。
なんか味がボケてるなぁと思ったら、唐辛子、昆布、塩辛、カタクチイワシのエキス(魚醤)などで辛味と塩気と旨味を調整しましょう。
→ 今回は刻んだ昆布を追加で加えました。
10.白菜の葉1枚1枚に、ヤンニョムを塗りたくります。
葉と葉との間に塗っていきます。
ヤンニョムを白菜の葉にこすりつけていく感じです。
白菜にまんべんなくヤンニョムの色がつけばOKです。
11.形を整えて容器に詰めます。
白菜をねじって形を整えます。
残ったヤンニョムは上にのせておきます。
12.ラップを被せ、空気を抜き、蓋をして常温に1日おいておきます。
常温においておくことで発酵がすすみます。発酵が進みすぎるとすぐに酸っぱくなってしまうので、1日が目安です。
13.1日経過したら味を見てジップロックに移し冷蔵します。2-3日後くらいからだんだん美味しくなります。
このタイミングで味見をします。まだ浅漬けなのであっさりしてます。
ジップロックへ。
保存方法と保存期間
保存は仕込んだ状態で切らずにジップロックに入れたままにしておきます。白菜漬けは冷蔵で1ヶ月くらいを目安に食べきります。キムチ漬けは冷蔵で3ヶ月くらいもちます。
大量に漬けた場合は冷凍も可能ですが、冷凍すると食感が変わり、漬物特有の歯ごたえが少なくなります。
ソライロポイント
1回で2度美味しい
下漬けまでは同じですので、同時に漬ける方が間違いなく効率的です。白菜1個で漬けるので、それほど大きな容器は必要ありません。そしてなによりも、同時に漬ければ、1回で2度美味しいです!
下漬けの塩は白菜の3~4%
下漬けの塩は白菜の3~4%がちょうどいい塩梅です。今回は3%で合わせましたが、4%でも大丈夫です。しっかり塩漬けにして水分を出して置くことが重要です。
キムチには刻んだ昆布も入れる
(2)の9でヤンニョムを味見をしたところ、若干旨味が足りない気がしたので、刻んだ昆布を追加してみました。数日したら劇的に美味しくなりました。キムチのりの出汁をとった昆布でいいので、刻んでヤンニョムに入れると旨味UPになります!
ソライロノート
どちらも美味しくでき大成功でした!
白菜漬けは浅漬けの歯ごたえのあるときが一番美味しく、キムチは熟成してから旨味が濃くなってからの方が好みです。同時につければ2度美味しさを味わえます。いつも以上の出来栄えに大満足でした(๑’ᴗ’๑)
白菜の漬物の美味しさは他の野菜には出せない旨味を感じます。お鍋に白菜を入れるとそれだけに旨味がたっぷりと加わるのは白菜が持っているグルタミン酸のおかげ。この旨味成分が白菜の漬物を美味しくしてくれているんだと思います。
白菜の漬物の美味しさは他の野菜には出せない旨味を感じます。お鍋に白菜を入れるとそれだけに旨味がたっぷりと加わるのは白菜が持っているグルタミン酸のおかげ。この旨味成分が白菜の漬物を美味しくしてくれているんだと思います。
毎日の食卓に漬物があると、それだけでなんだかうれしく、白いごはんがおいしくなります。この冬は文字通り白菜漬けの日々です。
別々に作る場合はこちらの方がわかりやすいです。※調味料の分量など多少違います。
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