※ソライロ遍路53日間の全貌、ツイートしきれなかった部分も余すところなく織り込んでます。
5月10日、お遍路50日目その2。
お遍路50日目は、善根宿うたんぐらさんを出発し八十番札所国分寺まで歩いてきた。そろそろ本格的に雨が降り出しそうな気配が漂っていた。
その1はこちら。
50日目-1 カタツムリのお遍路、いそがずあせらず50日目
最後の遍路ころがし
さあ、いよいよ山に入ろう。
向かう山方向はガスの中。
五色台の地図。五色台というのは、青峰、白峰、黄峰、黒峰、紅峰の五色の名がついた山塊の総称だそうだ。
傾斜を登り始めると、不思議と元気が出てきた。さっきまであんなに体がだるくて、歩くぞ!という気力が湧いてこなかったのに、山になったら急に力がみなぎってきた。平地と山では使う筋肉が違うというのもあるのかもしれない。
電柱に遍路マークが一杯ある。
お遍路さんの切り絵みたいなのもあった。
目指すはあのガスの中。
車道が終わり、遍路道は山道に。
開けたところでさぬき国分寺町を見下ろす。雲がかなり下まで来ているのがわかる。
遍路道のすぐ横に金網があり、山中なのに敷地が区切られている。どうやら自衛隊演習場になっているらしい。
立入禁止の文字。この金網のすぐ横の遍路道を歩く。
分岐まで登ってきた。かなりきつい登りが続き必死に登ってきたが、あっという間だった。ここから左に進み白峯寺を打ち、折り返して打戻り、右の根香寺を打つという順番だ。今、13時半なので根来寺までギリギリになりそうだ。雨がひどくなれば途中でビバーグも選択肢として考える必要があるだろう。
ということは、打ち戻ってくるこのあたりの遍路道の脇で野宿場所を物色しておいた方がいいかもしれないと思い、よさげなところをGPSでポイントしなが歩く。ぜいたくを言わなければテントを張れそうな場所はありそうだった。
白峯寺はやや下り、雨で濡れているので滑らないように注意しながら歩いた。
八十一番札所白峯寺
14時までに白峯寺に到着。
白峯寺七棟門。
本堂はまた階段をたんまりと登らないとならないようだったので、手水舎のところでザックを置いていくことにした。
勅領門。
阿弥陀堂。
本堂とカエデ。
大師堂。
御朱印。
境内の階段。
境内で自転車お遍路さんと話をしたが、雨の中の自転車も大変そうだ。次の札所根香寺まで5キロ。
雨の中を急ぐ
雨が少し強くなってきていた。白峯寺までの下りは歩きにくかったが、ここからはゆるやかな上りになるのでまだましだった。
閼伽井と丁石。閼伽井とは「神仏にささげる水の湧く井戸のこと」だそうです。今も水があるのかは未確認。
雨は降っていたが、このあたりは木が遮ってくれたので、それほど苦ではなかった。
中山休憩所までついた。トイレがあったので利用させていただく。雨がまた強くなってきたので東屋で少し休憩する。時間は16時前、あと1時間で納経所が閉まる。もうここで野宿でもいいかもなぁ、、、だが遍路小屋と根香寺まではもう近いはず。ここまで来たら先に進もう。
雨足が少し強くなってきた。足元に気をつけながら、早足で歩く。これ以上ひどくなったら根香寺は諦めたほうがいいかもと思うが、今はとにかく急ごう。
五色台の遍路小屋
五色台の遍路小屋についた。ここの新しい遍路小屋は、なんと壁があり、入口はガラス戸になっている!完全に小屋だ。こんな遍路小屋ははじめてだ。
トイレも水場もある。
中から人の気配がする。先客のお遍路さんがいるようだ。入ってみると、昨日うたんぐらさんで一緒だったカナダ人のデイビッドだった。彼は根香寺には参拝してここに来たらしく、もうくつろいでいた。
あと35分しかない。遍路小屋にザックを置いて空身でいけば、十分間に合うだろう。小屋にいるのが初対面の人だったら、たとえお遍路さんでも万が一を考えてザックを置いていけなかったかもしれないが、彼なら大丈夫だ。
八十二番札所根香寺
小屋から数分で根香寺についた。雨足は強いが、身軽にしてきたのでさして苦にならなかった。
根香寺仁王門。
境内の階段。
水かけ地蔵。
万体観音堂。
万体観音堂の観音像。
根香寺本堂。
時期外れの紅葉。
根香寺大師堂。
御朱印。
遍路道を戻る。
五色台の遍路小屋に戻る
土砂降りの中、小屋に戻ってきた。
この小屋は完全に外界と遮断されている完全な家だった。こんな天気の日に完全な小屋に泊まれるのは本当にありがたいことだった。
小屋の中をあらためてみてみる。広さは3畳くらいだが、2人しかいないので十分だ。(なぜか床が四角ではなくいびつな形になっていたが、後から聞いた話では五色台にちなんで五角形になっているのだとか)。しかも階段があり屋根裏がロフトになっていて、ここでも寝れるようだ。これなら6人くらい泊まれるかもしれない。
棚には飲み物とお菓子のお接待まで置いてあった。近くのハーブ園から持ってこられているようだ。お菓子は子どもたちがお小遣いを出し合って買ってくれたお接待なんだとか。なんとありがたい、、、。感謝していただく(人)
雨音を聞きながら遍路小屋でくつろいでいると、山伏みたいな格好をした人がやってきた。逆打ちの野宿お遍路さんだった。外はもう真っ暗になっていた。
夕飯
今日の夕飯はパスタを食べたかったが、パスタき切れていたのでカレーライスにした。具は干ししいたけ、松山あげ、にんにく。味付けはルウとだしの素。
逆打ちお遍路さんは飯盒を持っていらっしゃった。いわゆる兵式タイプのやつだ。いろいろと自炊遍路飯の話に華が咲く。いろいろ質問をされたのでソライロ流遍路飯についても詳しく説明^^w食材は押麦と干し野菜をうまく使うこと。最近は少量の米をコンビニ等で購入できているので米が増えたが、コストパフォーマンスを考えると押麦のが断然優れている。飯盒のポイントはかき混ぜることが重要と力説^^wあとはパスタや袋ラーメンも便利。こんなところだろうか。
出納帳
・乾燥機代(コインランドリー) 100円
・お賽銭(天皇寺) 20円
・納経代(天皇寺) 300円
・かけうどん小、鶏天 270円
・お賽銭(国分寺) 20円
・納経代(国分寺) 300円
・お賽銭(白峯寺) 20円
・納経代(白峯寺) 300円
・お賽銭(根香寺) 20円
・納経代(根香寺) 300円
【集計】
宿泊費:0円
風呂:0円
洗濯:100円
食費:270円
日用品:0円
お参り:1280円
合計:1650円
ルート
ルート:648善根宿うたんぐら-810七十九番札所高照院天皇寺843-950こだわり麺や(昼)1000-1047八十番札所国分寺1117-1346八十一番札所白峯寺1413-1604中山休憩所-1620遍路小屋五色台子どもおもてなし処1624-1627八十二番札所根香寺1647-1658遍路小屋五色台子どもおもてなし処(泊)
・合計時間:10時14分
・合計距離:27.83km
・最高点の標高:454m
・最低点の標高:1m
・累積標高(上り):812m
・累積標高(下り):469m
50日目GPS(ヤマレコ)
ソライロノート
今日は午前中は体が重くなかなか調子が出なかった。こんなんで最後の遍路ころがしを乗り切れるか不安だったが、不思議なもので山に入ると急に元気がでてきた。雨の山道は大変ではあったが、いい寝場所にたどり着いたのでゆっくりと休むことができた。
いろんな方が五色台の遍路小屋はすばらしいとおっしゃっていたが、そのとおりだった。今までいろんな遍路小屋をみてきたが文字通り最高の遍路小屋だった。こんな小屋が遍路道のあちこちにあったら、野宿お遍路の難易度はかなり下がるだろう。ただ、それは贅沢な話だし実際問題難しいだろう。仙人さんから聞いた話だが、住宅街の遍路小屋では壁を作れないそうだ。できるだけ外から見えるようにしておかないと地域住人の方が不安になるそうだが、当然だろう。五色台の山の中だからこそ、こういう遍路小屋が可能だったのもしれない。
お遍路最後の試練とも思えた2日間の雨だったが、善根宿と遍路小屋で乗り切れたのは大きかった。
51日目に続く。
【ソライロ遍路準備編】
【ソライロ遍路移動編】
0日目 沼津から四国に向けて、いざお遍路の地へ!
54日目 家に帰るまでがお遍路
【ソライロ遍路各県初日】
徳島編:1日目-1 ソライロ遍路スタート!
高知編:11日目-1 朝から雨、徳島から高知へ入る
愛媛編:30日目-1 松尾峠を越え、第三の地伊予の国へ
【ソライロ遍路香川編】
46日目-2 やまじ風吹き荒れるなか六十六番札所雲辺寺、初めての通夜堂泊
47日目-1 雲辺寺を下山し六十七番札所大興寺、観音寺市を歩く
47日目-2 六十八番札所~七十番札所、銭形砂絵を眺めため池のほとりで野宿
48日目-1 へんろ小屋で手打ちうどんのお接待、七十一番札所~七十二番札所
48日目-2 天気がいいので幼き空海が修行したという我拝師山に登る
48日目-3 弘法大師生誕の善通寺を打ち善根宿へ
49日目 雨のお参りは傘が役に立つ、七十六番札所~七十八番札所を打ち善根宿へ
50日目-1 カタツムリのお遍路、いそがずあせらず50日目
50日目-2 最後の遍路ころがしを越え、最高の遍路小屋にたどり着く
51日目-1 お遍路最大のピンチ!集団に襲われる!?
51日目-2 八十三番札所~八十四番札所、狸の聖地屋島に泊まる
52日目-1 八栗寺参道沿いのよもぎ餅屋のおばちゃんにハッパをかけられる
52日目-2 うどん納めをして八十七番札所長尾寺まで
52日目-3 おへんろ交流サロンを経由し最後の難関女体山へ
53日目-1 ラストナンバーにて結願、そして奉納
53日目-2 八十八番札所の先、四国一周をつなぎ閉幕