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【ソライロ遍路紀行3日目】最大の難所焼山寺に向け万全の準備

2016-03-24 11.33.33_鴨の湯いやしの舍外観

※ソライロ遍路53日間の全貌、ツイートしきれなかった部分も余すところなく織り込んでます。

3月24日、お遍路3日目
夜は風が強くかなり寒かったが、小屋に備え付けの毛布のおかげでぬくぬくと気持よく寝れた。朝は5時に目が覚めた。寒さで寝袋から出るには強い意思が必要。すでに階下の方はもう出発の準備をしている感じだったので、モタモタしてる場合じゃないと思い、半分寝袋にはいったまま飯の準備を始めた。

2日目はこちら。
初めてのお接待体験

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朝飯

朝飯はお湯を沸かして味噌汁だけ作り、昨日の残り麦飯に納豆をかけ簡単に済ます。

2016-03-24 05.40.06_朝飯

1階に下りてトイレを済まし、出発しようとしてるお遍路さんに挨拶をする。カウボーイハットをかぶりとてもワイルドな感じの方だ^^今日の予定について聞いてみると、今日中に焼山寺を越え温泉のあるところまで降りてしまうそうだ。焼山寺の先は2つのルートがある。温泉ルートはやや距離が長くなるのでどうなんだろうと思っていたが、カウボーイさんによるとこちらの方が起伏が少なく楽だそうだ。参考にしておこう。それにしてもテント装備を担いで今日中にそこまで歩くのはとても自分には真似できないだろう。

自分の今日の予定についてはまだ少し迷いがあった。藤井寺までには決断しないと。

6:50、パッキン完了。4日目出発。

2016-03-24 06.49.42_パッキング

11番札所藤井寺へ

11番札所藤井寺までは約7.6km、まずはそこまで行こう。

途中にお遍路さん用休憩所あり。

2016-03-24 07.18.16_へんろ休憩所
2016-03-24 07.20.24_休憩所内

灰皿が少し邪魔だが中にテントも張れそう。水やトイレはない。

道沿いに郵便局もあったがまだ開いていなかった。

しばらく歩くと堤防があらわれる。地図をみると堤防を乗り越えて中洲を進んでいくことになる。

↓ここ、そうは見えないと思うが中洲の中である。

2016-03-24 07.42.08_吉野川の中洲

後で知ったが、ここは日本最大の川の中の無人島「善入寺島」という場所だった。

吉野川。鳥のさえずりが響き渡りとても気持ちのいい朝だ。

2016-03-24 07.46.23_吉野川

菜の花も綺麗。

2016-03-24 07.50.50_菜の花

藤井寺まで何キロ?

2016-03-24 07.54.52_藤井寺まで5.9キロ

こういう川沿いならいくらでも野宿ポイントはありそうだ。

2016-03-24 08.15.58_吉野川沿いの野宿ポイント

反対側の堤防を乗り越えると、小さなお遍路休憩所がある。

2016-03-24 08.19.03_遍路休憩所

1泊に限り宿泊可。

2016-03-24 08.19.17_利用の定め

テントを張れるようなスペースはないが水があるのはありがたい。

2016-03-24 08.19.26_水

近くにトイレもあるようだ。

2016-03-24 08.30.18_トイレ

ここで少し休んでいたら、反対側からお遍路さんがやってきた。挨拶をすると「よかったらこれ」とプリントを1枚もらう。遍路小屋などによく張られている88箇所のすべての標高を図にしたものだった。この方、このプリントをたくさんコピーされていて道行くお遍路さんに配っているようだ。

登山では当たり前だが、標高の情報はとても重要だ。平らな道ばかり歩いているとついお寺とお寺の距離だけでかかる時間を予測してしまう。高い場所にあるお寺の場合は、想定外の時間がかかってしまい一日の計画が大きく狂ってしまうことになりかねない。ありがたかく活用させていただこう。

30分ほど歩くと空腹をかにる。朝飯が早いので、午前中の早い時間にすぐおなかが空いてしまう。行動食の干し肉を食べておく。

2016-03-24 09.18.57_行動食
2016-03-24 09.19.52_干し肉

住宅街から離れ田んぼの中を歩き、お寺の近くになり坂道が増えてきた。少し登ってすすんでいくと駐車場らしきところに出た。

2016-03-24 09.47.48_藤井寺駐車場近く

9:48、藤井寺到着。

2016-03-24 09.48.43_藤井寺山門

手水舎と水子地蔵。

2016-03-24 10.00.43_手水舎と水子地蔵

本堂。

2016-03-24 09.53.16_藤井寺本堂

大師像。

2016-03-24 09.56.45_藤井寺大師像

大師堂。

2016-03-24 09.56.54_藤井寺大師堂

御朱印。ご本尊は薬師如来。

2016-03-24 10.05.25_藤井寺御朱印

さてと、ここであらためて考える。時刻は10時をまわったところ、このまま焼山寺を目指して歩けるところまで歩くか。その場合は焼山寺周辺あるいは途中でビバークすることになるかもしれない。山に入るし、途中になんとか庵が3つくらいあり、野宿ポイントはいくらでもありそうだ。もう一つは、遍路ころがしにそなえて荷物を整理し、温泉に入ってゆっくりするか。なんといっても焼山寺はお遍路最大の難所と言われるところだ。ここで慌ててもいいことはないだろう、、、うんやはり今日は遍路ころがしに備えてゆっくり休養することにしよう。

郵便局へ

というわけで、次の目的地は郵便局だ。ここで不要な荷物を送り返して少しでもザックを軽くしよう。

藤井寺から少し切幡寺側に戻りつつ鴨島方面に足を進めるとほどなく飯尾郵便局に到着。局内でザックの荷物を広げたら迷惑がかかるだろうか、、、郵便局前に駐車スペースがあるのでここで広げようかなぁと悩んでいたところにちょうど若い男性局員の方が出てこられたので、荷物が重いので不要なものを家に送り返したいのでちょっとここでザックを広げさせてくださいとお願いする。

3日目にして不要と判断したのは、主に動画撮影のための機材として考えていたコンデジ、三脚類だ。これらはお遍路中に動画を撮ろうと考えていたのだが、動画撮影はやめようと考えていた。体力的にも、精神的にも余裕は全くなかったのもあるが、それだけではなくお参り中に三脚を立てて動画を撮影する行為は、なんとなくお遍路にあんまり似つかわしくないように思えた。カメラを片手に持ちながら遍路道を歩くのもなんだか滑稽に思えた。といってもスマホを持ちながら写真を撮る行為も根本的には同じなのだが、なんというかそういう行為は必要最小限に抑えた方がいいような気がしていた。

ザックから送り返すものだけを取り出し郵便局内へ。先ほどの局員の方がいる窓口で、お遍路中なのだが不要な荷物を送り返したい旨、箱はないので購入したい旨をもう一度説明する。局員の方は荷物を受け取り、奥から適当な箱を探してきてくれて梱包作業までしてくれた。ここまでしていただけるとは、、、ありがたい。今日のこれからの予定を聞かれたので、明日焼山寺に登るため今日は鴨の湯で休養するつもりだと話す。鴨の湯は市営の温泉で、いつもたくさんの地元の方で賑わっているらしい。女性局員の方からは、焼山寺は冷え込みが激しくついこの間も雪が降ったので暖かくしていくようにアドバイスをもらう。

料金も支払いお礼を言って出ていこうとしたら、奥から何か持ってこられ

「こちら徳島名産のオロナミンCです^^重くなってしまいますが、よければお接待です。」

2016-03-24 11.13.51_郵便局で徳島名産オロナミンC

ん?徳島名産?、、、あっ、そうか!オロナミンCの大塚製薬は徳島の会社って聞いたことがある。なるほど~^^それにしてもまさか郵便局でお接待をしていただけるとは、想像もしていなかったので余計にうれしかった。

荷物も軽さに比例して、心も足取りも軽くなる。

善根宿「鴨の湯」

地図をみながら鴨の湯へ向かい、11時半ごろ到着。

2016-03-24 11.32.56_鴨の湯

温泉施設の横に東屋と小さな小屋っぽい建物がある。この小屋が善根宿としてお遍路さんに提供されているようだ。

2016-03-24 11.33.33_鴨の湯いやしの舍外観

宿泊希望者は「鴨の湯」に届け出るよう注意書きがあったので、鴨の湯の受付で宿に泊まりたい旨を申し出て宿帳に住所名前を記入した。

「鴨の湯いやしの舍」というのが正式な名称のようだ。

2016-03-24 11.56.04_鴨の湯いやしの舍入口

トイレと水場。

2016-03-24 11.56.39_トイレと水

こちらは女性専用棟。女性の泊り客がいない場合は男性に開放されるらしい。

2016-03-24 11.55.23_鴨の湯いやしの舍女性棟内

小屋の前は駐車場になっています。泊まり客が多い場合はここにテントを張ってもよいそうだ。

2016-03-24 11.56.45_鴨の湯駐車場

午前中に到着したのでさすがに1番乗り。今日は何人のお遍路さんがいらっしゃるか、もし多いようなら狭いところで気を使いながら寝るよりも外にテント張った方が気楽でいいかもしれない。

さて、時間はたっぷりある。買い物に行こうかとも考えたが、明日までの食材はなんとかなりそうだし焼山寺を前にせっかく減らした荷物を増やしたくないのでやめておこう。

まずはお腹がすいたのでお昼にしよう。

昼飯

1日目に買ったイオンのラーメンを茹でる。干しほうれん草と干しキャベツを入れ、粉末生姜と白ゴマをトッピング、干し野菜入り味噌ラーメンの完成!

2016-03-24 12.21.09_干しほうれん草と干しキャベツとドライ生姜入り味噌ラーメン

ラーメンは簡単でうまい!

遍路ころがしへの準備

昼飯を食べたあとは洗濯だ。洗濯洗剤は持っていたが鴨の湯で売っている200円の洗剤を購入する決まりのようだ。コインランドリーの値段を考えれば200円で洗濯できるのは非常にありがたい。

バッテリーも充電。

2016-03-24 13.00.58_バッテリー充電

洗濯を掛けている間に温泉に入る。鴨の湯の入浴料は450円だが歩き遍路は360円で入れる。

2016-03-24 13.37.36_鴨の湯利用券販売機

体重計があるのでのってみる。

2016-03-24 14.31.32_体重

出発前は60kgだったので、お遍路3日目にして1.5kg減。量はそれなりに食べてるつもりだったのに思ったよりも減っていることに驚く。あんまり体重が減ると体力が落ちそうなので、なるべく落とさないようにもっと食べるように心がけよう。

鴨の湯の風呂は噂通り、平日の昼間から地元の方でとても混雑していた。内風呂、露天風呂、サウナもある。お遍路で初めての風呂がこの鴨の温泉だった。真っ昼間から温泉に疲れる幸せ^^数日ぶりに体を洗うことができさっぱりしたというのもあるが、温泉効果ので足の疲れ、体に蓄積した疲労がだいぶ和らいぎ、とてもリラックスできた。うん、温泉はいい!今後も積極的に入っていこう。

温泉から出て、部屋の中でまったりしていたら、各札所ごとに野宿情報が書かれた紙を見つけた。自分が持っている野宿一覧表に載っていない情報も結構ありそうだ。

2016-03-24 16.27.15_野宿情報

あとあと重宝しそうな情報なのでメモをとり、念のため各ページの写真を撮っておく。そうこうしている間に50代位の男性2人組のお遍路さん、若い外国人男性お遍路さんが到着。3畳ほどの小屋がだいぶ手狭になってきた。

2人組の方は登山を少しやっているそうだ。担いでいるザックは50Lくらいだろうか、聞いてみるとテント装備もあり野宿もするつもりだが15キロの荷物は重くて歩くのがキツイとおっしゃっていた。自分と同じように明日の焼山寺に大いなる不安を抱えているようだった。焼山寺の後は、少し遠くなるが温泉ルートで行くとのこと。朝のカウボーイハットさんと同じだ。自分はまだどうしようか迷っていた。

外国人お遍路さんはイギリスからの留学生で名前はジョシュ。僕が片言の英語を使う必要がまったくないくらい日本語もかなり上手。マンチェスター・ユナイテッド好きで背が高くイギリス人ぽいイケメン、明るく気のやさしい好青年だった。お遍路は2周目だそうで、焼山寺はハードだがお遍路で最もハードなのは愛媛の横峰寺、次が雲辺寺だと言っていた。横峰寺に雲辺寺、、名前を覚えておこう。でも愛媛なんてまだまだ先の話、とりあえずは目の前の焼山寺だ。

夕飯

夕方になり夕飯の準備。材料は干し肉、干しなす、干しキャベツ。

2016-03-24 18.32.30_夕飯材料

干し野菜と干し肉の丼が完成。

2016-03-24 19.13.33_夕飯の干し肉丼

飯を食べていたら女性のお遍路さんがやってきて挨拶をする。日本語がちょっっとわからない感じ、アジア系、予想では台湾人ぽい気がした。これで女性棟は使えないことが決定、これ以上増えたらテントかなぁと考えていたたが、結局この日は男性4名、女性1名だった。

出納帳

・お賽銭(藤井寺):20円
・納経代(藤井寺):300円
・ゆうパック:950円
・風呂:360円
・洗濯:200円

【今日の集計/全期間の集計】
宿泊費:0円/0円
風呂:360円/360円
洗濯:200円/200円
食費:0円/523円
日用品:950円/950円
お参り:320円/12,140円

合計:1830円/14,173

ルート


・ルート:6:50ヘンロ小屋45号空海庵・切幡(泊)-9:48十一番札所藤井寺10:05-10:45飯尾郵便局11:15-11:32鴨島温泉鴨の湯(泊)
Googleマップ(別窓)
・合計時間: 8時間0分
・合計距離: 10.32km
・最高点の標高: 67m
・最低点の標高: 14m
・累積標高(上り): 31m
・累積標高(下り): 45m
3日目GPS(ヤマレコ)

ソライロノート

鴨の湯には通常なら2日目にはたどり着くのだが、僕の場合は3日目の午前に到着。明らかにペースは遅いが荷物が重く思うように距離が歩けないのだから仕方ない。なによりこの日は十分な休息をとり、遍路ころがしに向け万全の準備をしたかった。

温泉はとても良った。鴨の湯が地元の人で賑わっているのもうなずける。溜まっていた疲労がかなり回復できたのではないかと思う。

焼山寺後のルートをどうするか、、。温泉は魅力なのだが、明日中に温泉までたどりつけるのかが不安だ。それなら距離の短いルートの方がいいかもしれない。とにかく明日は早起きして出発しよう。

荷物も軽くなり、洗濯もして、バッテリの充電もでき、体も休められた。遍路ころがしに向けできることはすべてやり尽くしただろう。万全の準備をしたつもりで眠りについた。

4日目-1に続く。

【ソライロ遍路準備編】

ルール詳細
パッキング編
パッキング編2(食材)
自炊計画

【ソライロ遍路移動編】

0日目 沼津から四国に向けて、いざお遍路の地へ!
54日目 家に帰るまでがお遍路

【ソライロ遍路各県初日】

高知編:11日目-1 朝から雨、徳島から高知へ入る
愛媛編:30日目-1 松尾峠を越え、第三の地伊予の国へ
香川編:46日目-2 やまじ風吹き荒れるなか六十六番札所雲辺寺、初めての通夜堂泊

【ソライロ遍路徳島編】

1日目-1 ソライロ遍路スタート!
1日目-2 お遍路の洗礼と逆打ち先輩との出会い
2日目 初めてのお接待体験
3日目 最大の難所焼山寺に向け万全の準備
4日目-1 遍路ころがし焼山寺に挑む
4日目-2 遍路ころがしを越えた先
5日目-1 人それぞれの遍路道
5日目-2 十三番札所大日寺~十七番札所井戸寺
5日目-3 地蔵越遍路道を越え初めての河原野宿
6日目-1 十八番札所恩山寺~十九番札所立江寺
6日目-2 心身ともに疲労困憊
7日目-1 遍路ころがし鶴林寺越え
7日目-2 小学校に泊まろう!
8日目-1 遍路ころがし太龍寺越え
8日目-2 二十二番札所平等寺から弥谷観音前休憩所へ
9日目-1 海沿いを歩き二十三番札所薬王寺を目指す
9日目-2 薬王寺と温泉とひとり野宿
10日目-1 室戸岬への長い道のりの始まり
10日目-2 牟岐町から海洋町へ、徳島最後の夜

【ソライロ遍路全記事一覧】

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