※ソライロ遍路53日間の全貌、ツイートしきれなかった部分も余すところなく織り込んでます。
3月26日、お遍路5日目その3。
井戸寺を出発したのが15:26。ここから山越えルートである地蔵越遍路道を歩く。山を越えて里まで下ったところにある温泉に立ち寄り、その後おやすみなし亭で教わった野宿ポイントに向かう予定だ。
5日目その1,2はこちら。
1 人それぞれの遍路道
2 十三番札所大日寺~十七番札所井戸寺
地蔵越遍路道~八万温泉
井戸寺から少し歩くと鮎喰川に出る。今日はこの川を何度も渡っている。
ここの橋も野宿によさ気であった。
コインランドリーを発見。
温泉とランドリーはなかなかないので見つけたら迷わず入ったほうがいいと逆打ち先輩から言われていた。今回は、おととい宿で選択したばかりなのでスルーでいいだろう。
道はだんだんと登り道になっていく。体力的にかなりキツくなってきているので、少し傾斜がつくだけでとたんにスピードが落ちてしまう。とりあえず地蔵院というお寺の手前にトイレと休憩所があるようなのでそこを目標にして歩いた。
1時間半ほどかかり目標地点にたどり着く。
トイレも東屋もあり公園のようなところだ。
もうここで野宿したいなぁと思ったが、この張り紙があったのであきらめた。
ベンチで休憩。一度腰を下ろすとなかなか立ち上がれなくなる。あと2.5キロ歩けば温泉に入れるはず!それを楽しみにがんばって歩こう、、、となんとか重い腰をあげる。
地蔵院の先に地蔵越遍路道と書かれた平成へんろ石があった。ここから山道の始まりのようだ。
この石は「第六拾号」と刻まれていた。
水場と小さな休憩所?
普通の山道が続く。
こういう山道にもあちこちに遍路道をしめす道しるべがある。ありがたい。
左にいくと眉山という山の山頂があるようだ。
ここはテントを張れそうなスペースもあった。人も来そうにないし今日はここで野宿してもいいかも!と思ったのだが、すぐに考え直す。教わっていた野宿ポイントは温泉の先なので、温泉で水を確保しようと考えたため、まだ泊まるのに十分な水を用意していなかった。
せっかくテントを背負っているのだから、いい場所があったらどこでも野宿できるよう水を準備しておくべきだったなぁ、、、さっきの水場まで戻る気には到底なれないし、ぐずぐず考えていても仕方ない。ここは進むしかない。
この先は下りになる。下りになるとまた足裏の痛みが激しくなる。
しばらく歩くと車道に出た。
車道に出ると更に足の痛みが増す。アスファルトの下りは足裏に直に衝撃が来るので本当にいやらしい。あの場所で野宿できていればなぁ、、、足と後悔を引きずりながら歩く。
車道をだいぶ下りてきたが温泉らしき建物がなかなか見えてこなかった。そろそろあってもいいはずなんだがなぁ、、、メインルートではないのか、歩きお遍路さんには1人も出会わず道を聞ける人もいない。
桜がきれいに咲いているあたりで、ちょうど地元の方がいらっしゃったので温泉の場所を尋ねた。八万温泉はもう少し先のようだ。
18時半すぎ辺りが暗くなりはじめた頃、ヘロヘロになりながらなんとか八万温泉にたどり着いた。
他のお客さんはみな地元の人だろう。大きなザックを抱えて温泉に入るのはちょっと気が引ける。ザックは当然ロッカーには入る大きさでない。かといってその辺に置いておくのも怖いので、風呂の道具だけ取り出してカウンターで預かってもらえないか頼んでみた。快くOKしていただいた。
ここの温泉はちょっと料金体系が変わっていた。内風呂のみの入浴は410円、露天サウナつきのロイヤルコースが550円、さらに上のロイヤルコース700円というのもあった(別のサウナに入れるらしい)。サウナ大好き人間としてはロイヤルコースにしたかったがお金を節約しようという思いが勝ち、内風呂だけの410円コースにした。
前日は焼山寺越えからの寝床探しで疲れ果て、今日も朝5時半頃から13時間歩き続け疲労困憊していた。たまった汗と汚れを洗い流しさっぱりして湯船につかる。「あ~、気持ちいい~♪」思わず声が出てしまう。最高にいい気分だ、温泉はすばらしい。
湯船に浸かりながら足裏もよーくマッサージしておく。気持いいのと疲れとでこのまま寝入りそうになってしまう。サウナに入れなかったのは残念だが、十分満足してあがった。
体を拭き、体重計にのってみる。
57.35キロ。鴨の湯で測ったときは58.45キロだったので、2日で1キロ落ちてしまった。朝晩はがっつり食べてるのだが、今日はお昼を食べそこねたのも影響してるかもしれない。このペースで落ちていくのはまずいのであんまり落ち過ぎないように気をつけよう。
売店でソフトクリームを見つけた。これまで余計な間食は控えてきたが今日は我慢できず購入。
たまにはがんばったご褒美にこのくらいの贅沢はいいだろう。
寝床探し
のんびりしていたら時刻は19:40になっていた。当然あたりは真っ暗。これから野宿場所を確保しなければならない。おやすみなし亭のお母さんに野宿ポイントを教わっていたとはいえ、もしもみつからなかったらと考えると若干不安になってくる。早くテントの中で落ち着きたかった。
坂道を下り、川沿いに出る。地図を見ながら教わった場所を探す。
目印のセブンイレブンを発見。お母さんから教わったとき、セブンのすぐ近くのように思い込んでいたがどうやら少し距離が離れているようだ。もう少しに先に進むと目当ての橋が見えた。この辺りのはずだ。
暗くてよく見えないが今日の寝床は河原だ。河原と水が流れているところから離れていて高さも違うので大丈夫そうだ。あたり一帯天気のくずれもないので水位の心配もないだろう。
こうしてようやく今日の寝床を確保。
これが初めての河原野宿だった。
夕飯
テントに入ったら早速夕飯の準備を始めるが、ソフトクリーム食べたらお腹が満たされてあんまり食欲がわかない。でもお昼も抜いたんだからちゃんと食べないとなぁ、、
何を作ろうか、、焼きそばで軽く済ませようかなぁ、、、あ、そうだ!焼きそばに麦を入れてみよう、結構いけるかも。料理は想像力とインスピレーションが大事だ。もちろんはじめて作るものは失敗することも多いが^^;
干し野菜と干し肉を戻したところに押麦と日清焼きそばを投入。
干し野菜と干し肉のそば麦飯の完成!
辛味も利かせたらいい感じに仕上がり、食欲がなくても美味しく食べられた^^
レシピの詳細はこちら。
焼きそば麦飯のレシピ
出納帳
・お賽銭(大日寺) 20円
・納経代(大日寺) 300円
・お賽銭(常楽寺) 20円
・納経代(常楽寺) 300円
・お賽銭(国分寺) 20円
・納経代(国分寺) 300円
・お賽銭(観音寺) 20円
・納経代(観音寺) 300円
・味噌ラーメン(マルナカ):40円
・塩ラーメン(マルナカ):40円
・押麦(マルナカ):321円
・ふんわりバーム(マルナカ):102円
・ショコラケーキ(マルナカ):102円
・お賽銭(井戸寺) 20円
・納経代(井戸寺) 300円
・入浴代(八万温泉):410円
・ソフトクリーム(八万温泉):200円
【今日の集計/全期間の集計】
宿泊費:0円/0円
風呂:410円/770円
洗濯:0円/200円
食費:805円/1,328円
日用品:0円/950円
お参り:1600円/14,060円
お接待:0円/100円
合計:2,815円/17,208円
※予算は10万円です。
ルート
Googleマップ(別窓)
・ルート:福原周辺5:39-8:40おやすみなし亭9:35-9:53十三番札所大日寺10:19-10:58十四番札所常楽寺11:25-11:47十五番札所国分寺12:04-12:44十六番札所観音寺13:00-マルナカ-14:28十七番札所井戸寺15:26-17:00地蔵院池緑地-18:32八万温泉19:40-20:26河原(泊)
・合計時間: 14時間48分
・合計距離: 33.2km
・最高点の標高: 167m
・最低点の標高: 4m
・累積標高(上り):566 m
・累積標高(下り): 658m
5日目GPS(ヤマレコ)
ソライロノート
5日目、朝はおやすみなし亭のお母さんに遍路ころがしの疲れを癒やしていただいた。札所を5つまわり予定通り十七番札所まで歩く。
その後が長かった。
教わった温泉まで、教わった野宿ポイントまでがんばろうとして自分の体力以上に歩き過ぎた。結果2日連続で合計距離が約33キロは今の自分には距離オーバーだ。このままだと時期に歩けなくなってしまうかもしれない。
もし水を持っていたら眉山の適当な場所でテントを張っていただろう。水は重たいのでどうしてもギリギリまで持ちたくないのだが、せっかくテント装備を担いて歩いているのだから、あらかじめ目を付けていた場所でなくてもよい場所がみつかったらどこでも野宿できるように水の準備はしておかないと。
5日目はいろいろな教訓が得られた。
焦らずマイペース、かつ準備を怠らず臨機応変にいこう!
6日目に続く。
ソライロノート
【ソライロ遍路準備編】
【ソライロ遍路移動編】
0日目 沼津から四国に向けて、いざお遍路の地へ!
54日目 家に帰るまでがお遍路
【ソライロ遍路各県初日】
高知編:11日目-1 朝から雨、徳島から高知へ入る
愛媛編:30日目-1 松尾峠を越え、第三の地伊予の国へ
香川編:46日目-2 やまじ風吹き荒れるなか六十六番札所雲辺寺、初めての通夜堂泊
【ソライロ遍路徳島編】
1日目-1 ソライロ遍路スタート!
1日目-2 お遍路の洗礼と逆打ち先輩との出会い
2日目 初めてのお接待体験
3日目 最大の難所焼山寺に向け万全の準備
4日目-1 遍路ころがし焼山寺に挑む
4日目-2 遍路ころがしを越えた先
5日目-1 人それぞれの遍路道
5日目-2 十三番札所大日寺~十七番札所井戸寺
5日目-3 地蔵越遍路道を越え初めての河原野宿
6日目-1 十八番札所恩山寺~十九番札所立江寺
6日目-2 心身ともに疲労困憊
7日目-1 遍路ころがし鶴林寺越え
7日目-2 小学校に泊まろう!
8日目-1 遍路ころがし太龍寺越え
8日目-2 二十二番札所平等寺から弥谷観音前休憩所へ
9日目-1 海沿いを歩き二十三番札所薬王寺を目指す
9日目-2 薬王寺と温泉とひとり野宿
10日目-1 室戸岬への長い道のりの始まり
10日目-2 牟岐町から海洋町へ、徳島最後の夜