※ソライロ遍路53日間の全貌、ツイートしきれなかった部分も余すところなく織り込んでます。
3月27日、お遍路6日目その1。
6日目の朝は5時起き、河原で迎えた朝は少し冷え込んで寒かった。スマホの目覚ましで起きたのだが、一度目覚ましをとめてから二度寝の誘惑と戦い「よし!起きよう」と思い切るまで5分位かかった。
温泉に入った翌朝は足や体が少し軽くなっている気がする。ただ足裏の親指の付け根辺りの豆は両足ともに日々悪化しており、入念にテーピングを巻くのが朝の日課となりつつあった。このテーピング巻きには足の痛みを軽減させるという目的以外にもう一つ意味があり、テーピングを巻くことによってが今日もがんばって歩こうと心を整える儀式のようなものなってきていた。
5日目はこちら。
1 人それぞれの遍路道
2 十三番札所大日寺~十七番札所井戸寺
3 地蔵越遍路道を越え初めての河原野宿
朝飯~出発
朝飯は昨日の焼きそば麦飯に水入れて温め直す。
味噌を少し足し味を変えてみたが悪くなかった。
テントを撤収する。野宿場所はこんな感じの河原。
6:56パッキングを終えストレッチも行ない準備完了、次の札所までは7.4キロだ。風が冷たいので早く歩いて温まろう。
足の痛み
昨日は気づかなかったが河原を上がって道に出るところにトイレが設置されていた。
園瀬川を渡る。
少し歩くとファミリーマートがあったのでトイレをお借りする。コンビニのトイレは綺麗なので公衆トイレよりコンビニを利用する。
朝は温泉効果で調子がいいような気がしたが、歩き出してみるとなんだか体が重い。靴の紐を縛り直す。気合を入れるためにいつもより少し強めに締めてみた。
平坦な道が続いていたが一向に調子が上がらない。連日30キロ近く歩いて疲労がたまりに溜まっているからだろうか、、、
重い足を引きずって歩いていると雨がぱらついてきて慌ててザックカバーを装着。
雨が強くなると嫌だなぁ、、、と思っていたが雨はすぐにあがってくれた。
しばらく車が来るとちょっと気を使うような歩道の狭い道を歩いていたが、大きな道路に出た。55号線のようだ。今日は日曜日のためか走っている車の量も多そうだったが、こういう大きな道路は歩道がちゃんとあるので安心して歩ける。
勝浦川橋を渡る。川の水がすごく澄んでいて思わず立ち止まる。
泳いでいる魚が何匹も見えたが、写真には映らなかったようだ。
歩道沿いに立派なお遍路休憩所があった。「露ヶ本遍路休憩所」と書いてある。
休憩所内。
すごく作りがしっかりしていていい休憩所、石のテーブルと椅子がなんとも立派な感じだ。綺麗な座布団まで置いてある。
宿泊は不可だった。
少しだけ休む。歩き始めて2時間40分くらいたっていたが、どういうわけかいつも以上に足が痛い。今日は早めに寝床を探した方がいいかもしれない。
また歩き出すが、すぐに足が痛くなる。だめだ、また休もうと思うが休めるような場所がない。
歩道の右手側が休耕地なのか空き地になっているところで座り込んで休む。
足がどうにもこうにも痛かったので、靴を脱いだところものすごい開放感を感じる。
そうか、、足が締め付けられて痛みが出てきていたんだ。
いつもより靴紐を強く締めたのが裏目に出ていたのだ。山では登りは緩め、下りは強めに縛るのがセオリーなのだが、平坦な道を歩くときは靴紐の締め具合はどうするのがいいだろう?とりあえずキツめにするとすぐに足が痛くなるのはわかったのでやや緩めにすることにした。
十八番札所恩山寺へ
靴紐をゆるめたことで足が少し楽になり多少ペースがあがる。が、体が重いのはどうしようもない。
遍路道は55号線から外れ山の方に向かい始める。「義経ドリームロード」という看板がありちょっと興味を惹かれるが、寄り道する気持ちの余裕もなく先に進む。
遍路道沿いの民家にある桜。まだ咲き始めのようだ。
恩山寺に近づくと明らかに山になってきた。傾斜もそれなりにあり、背中の重みが苦しい。何人かの歩きお遍路さんに抜かれていく。軽そうな荷物で歩いているお遍路さんを恨めしく思ってしまう。そのたびにおやすみなし亭のお母さんの言葉を思い出す。人は人だ。自分のペースで焦らず歩こう。
目の前に大き目のザック(13-15キロくらいだろうか?)を背負ったお遍路さんが、自分と同じように苦しそうに歩いていた。妙に仲間意識を感じてしまう。なんとかこのお遍路さんに離されないようにと歩く。
一部歩き遍路道を見逃して車道を歩き続けてしまったようだが、11時にはなんとか恩山寺までたどり着いた。
入口にあった修行大師像。
自撮り。
本堂への階段。
水子地蔵。
釣鐘堂。
本堂。
大師堂。
御朱印。薬師如来がご本尊。言われてみればそう読める気がする。
お参りを終え、お寺のベンチで昨日行動食用に買ったふんわりバームを食べて休んいると、先ほどの歩きお遍路さんがいたので「坂道がきつかったですねぇ~」と挨拶を交わす。宿泊まりのベテランお遍路さんだった。この先の遍路道はすごいところを通るよと教えてくれた。すごいところってなんだろう?
なんにせよ次の札所まで4キロ。
いろんな遍路道
すごいところの答えはすぐに分かった。
牛舎の間に遍路道があるのだ。
牛さんに見つめられながら歩く。
すげぇなぁと思いながら牛をみて歩いていたら間違って牛舎の奥の方に行ってしまい、農家の方に声をかけられ道を教えていただく。危ない危ないw
牛舎を抜けると山道。
その先は畑の縁のようなところ。
更には民家の敷地内のようなところ。
これらがどれも遍路道の案内板があるちゃんとした遍路道なのだ。おそらく私有地内だろうが、土地所有者のご好意でお遍路さんに開放されているのだろう。
お遍路ではなく観光で四国に来ていたら絶対に歩くことはないだろう道。こういうところを歩くのはとても面白いと思うと同時に、たくさんの地元の方のご協力、ご好意があってお遍路というのが成り立っているんだなぁとも思う。ありがたいことだ。
桜。さっきの桜もそうだったがこのあたりはまだつぼみが多いようだ。
昼飯
変わったところを歩いていると気分も紛れて一時的に疲れを忘れていたが、普通の道路に出るととたんに体が疲労を思い出す。
もう12時を回っていたのでお昼も食べたい。どこかいいところはないだろうか、、、
そう思っていたところでちょうど無料休憩所を見つけた。
すぐ先が工事現場になっていて、工事の方々が休憩するための場所のようだったが「お遍路もご自由にお使いください」とあった。
中は誰もいなかったが、ちょっとこの場所を借りてお昼にしよう!と思ってドアに手をかける。、、、が鍵がかかっていた。
よく考えたら今日は日曜日だ。工事もやってないから今日は閉まっているのだろう、、諦めるしかない。
しかしお腹がペコペコだ。疲れてかなりきていたので休みたい。プレハブの建物横のスペースをお借りして飯を作らせてもらうことにした。
手早く、ちゃちゃっとインスタントラーメンを作る。
干し肉と干し大根葉入り塩ラーメン。にんにくとごまをトッピング。イオンの40円ラーメンがほんとうまいなぁ。
食べている最中に雨が少しぱらついてちょっと慌てたが、すぐにやんだ。どうやら大丈夫のようだ。食べるって大事だなぁと、、。さっきまでもう歩きたくないモードだったけど食べたら急に元気出てきた。
十九番札所立江寺へ
休憩所のすぐ先にヘンロ小屋。屋根の形が特徴的だがこれは合掌を表しているそうだ。
内部まで確認しなかったので宿泊できるのかどうかちょっとわからない。
お京塚という石碑もあった。
お京塚のすぐ先、赤い欄干の橋を渡る。
これが立江川。カモがたくさん泳いでいた。
橋を渡った先が立江寺だった。
自撮り。
聖龍美観音像。
子授地蔵尊像。
本堂。
修行大師像。
大師堂。
多宝塔。
御朱印。
まったく解読できない字体、勢いも凄く御朱印帳からはみ出していた^^
恩山寺でお会いした歩きお遍路さんとまたお会いし、今日はどこに泊まるのか聞かれる。10キロくらい先に道の駅があるのだがちょっと遠いので、できればもっと近くで野宿できる場所を探したいと話す。すると途中に善根宿があることを教えていただいた。地図で場所を教える。ここから3.5キロほどだ。
非常にありがたい情報だった。今日はだいぶ疲れが出ていたが後3.5キロなら歩けるだろう。
6日目その2に続く。
ソライロノート
【ソライロ遍路準備編】
【ソライロ遍路移動編】
0日目 沼津から四国に向けて、いざお遍路の地へ!
54日目 家に帰るまでがお遍路
【ソライロ遍路各県初日】
高知編:11日目-1 朝から雨、徳島から高知へ入る
愛媛編:30日目-1 松尾峠を越え、第三の地伊予の国へ
香川編:46日目-2 やまじ風吹き荒れるなか六十六番札所雲辺寺、初めての通夜堂泊
【ソライロ遍路徳島編】
1日目-1 ソライロ遍路スタート!
1日目-2 お遍路の洗礼と逆打ち先輩との出会い
2日目 初めてのお接待体験
3日目 最大の難所焼山寺に向け万全の準備
4日目-1 遍路ころがし焼山寺に挑む
4日目-2 遍路ころがしを越えた先
5日目-1 人それぞれの遍路道
5日目-2 十三番札所大日寺~十七番札所井戸寺
5日目-3 地蔵越遍路道を越え初めての河原野宿
6日目-1 十八番札所恩山寺~十九番札所立江寺
6日目-2 心身ともに疲労困憊
7日目-1 遍路ころがし鶴林寺越え
7日目-2 小学校に泊まろう!
8日目-1 遍路ころがし太龍寺越え
8日目-2 二十二番札所平等寺から弥谷観音前休憩所へ
9日目-1 海沿いを歩き二十三番札所薬王寺を目指す
9日目-2 薬王寺と温泉とひとり野宿
10日目-1 室戸岬への長い道のりの始まり
10日目-2 牟岐町から海洋町へ、徳島最後の夜