※ソライロ遍路53日間の全貌、ツイートしきれなかった部分も余すところなく織り込んでます。
3月25日、お遍路4日目-1。
朝4時に起きる。昨日の夜は遅い時間にジョシュが戻ってきて起こされ、その後寝付きが悪かったが夜中はまずまず眠れた。他の方はまだ寝ているので静かに支度を始める。温泉&宿効果で体調はすこぶる良さげ。
3日目はこちら。
最大の難所焼山寺に向け万全の準備
朝飯
朝飯は昨日の残りの干し肉丼。とにかく早く出発したいのでこれだけ。一気にかきこむ。
メスティンを洗い荷造りを始める。寝ている間にAnker 20100mAhのバッテリーを2本充電したのだが、片方はもともとあまり使ってなかったのでフル充電。もう片方が1/4しか充電されていなかった。んー、これは大きな問題だ。バッテリーがフル充電できないと頻繁に宿に泊まる必要が出てくるかもしれない。充電時間が足りないとしたらもっと早い時間から充電する必要がある。んー、対策を考えていかないと、、、。
バッテリーのことでうだうだしていたせいでパッキングが完了したのは5時。もっと早く出ようと思っていたのだが、、。
5:05、まだ暗い中鴨の湯を出発する。
藤井寺へ
まずは登り口のある藤井寺を目指す。昨日お参りしたお寺なので道は覚えている。
このお遍路で夜明け前の町を歩くのは初めて。まだほとんどの人が活動を始めていない静かな時間帯、すれ違う人もいない。
だんだんと夜が明けて辺りが明るくなってきたころに藤井寺に到着。
案内図をみる。長戸庵、柳水庵、一本杉庵を通り焼山寺。適度に休憩場所があるのはありがたい。当然だが道中、食料を補充できるところはないだろう。焼山寺までは何もない山道を進んでいくことになるはずだ。水場は柳水庵にあるそうだが、一応1.5Lかついでいるので心配はない。
焼山寺までは12.9キロ。
藤井寺の本堂の横に「焼山寺みち」とある。ここが焼山寺への登り口だ。
一旦ザックをおろして体制を整える。これから山道なのですぐに体が暑くなるだろうと思い、一枚フリースを脱ぎザックにしまった。
お寺の方に「お早いですねぇ」と声をかけられる。
鴨の湯で聞いた話だが、藤井寺から焼山寺までは健脚の人で5時間、平均6時間、弱足で8時間かかるそうだ。さらに荷物の重さによっても変わってくる。普通の人が6時間で歩くには10kg以内、12kgで8時間、15kgで10時間だそうだ。20kgオーバーのデータはないようだったので、これは自分が検証しよう^^
5:53、4日目して早くもお遍路最大の難所に挑む!気合いを入れていざ、遍路ころがしへ。
長戸庵へ
遍路道を歩き出すと小さな祠がズラーっと並んでいる。
八十八ヶ所のお寺ごとに1つの祠がありミニ八十八ヶ所ができるような感じだ。これは室戸岬にある最御崎寺。
へんろころがし1/6とある。この道標が6/6まであるのだろう。
1キロほど歩くと林道に出る。
休憩できるベンチがあるが、まだ歩きはじめて30分もたっていないので素通り。
少し開けたところに出た。少し登っだけだがいい感じに見下ろせる。地元の城山という里山からの眺めになんとなく似てるような気がした。
遍路道は普通の山道もだけでなく、コンクリートで固められているところもある。
よく整備されていて歩きやすい。迷ったりするようなところもなく安全に登れる道だ。
山の上から日が登ってきた。今日は早く出発したので調子よく歩ければ意外と早く着くかもしれない。
端山休憩所。東屋があり一服できるが、藤井寺からまだ1時間も歩いていないのでここも素通り。
水大師とかかれた水場、一杯いただく。冷たくて美味しい。
2時間弱歩き、最初のポイント長戸庵に着いた。
行動食を食べて小休憩し、再び歩き出す。
柳水庵へ
少し歩くとまた開けたところがあった。少し標高が上がったので川がよくみえるようになったかな。
アップダウンのある山道を休み休み歩く。登りがずっと続くのもキツイが登ったり下りたりはもっとキツイ。
へんろころがし3/6の道標。半分弱来たことになるんだろうか、、、?
長門庵から1時間半弱歩き、ようやく柳水庵が見えてきた。まずは水場で喉を潤す。
柳水庵。以前はここに宿泊できたそうだが今は営業していない。
一応トイレはある。
建物前にスペースもあるのでテントがあればいい野宿ポイントになりそうだ。
ごみ捨て禁止。
柳水庵から少しおりたところにも小屋があり、休憩できるようになっていた。
小屋の中をのぞいてみるととても綺麗に保たれている。宿泊不可とは書かれていなかったのでここに泊まるのもありのようだ。
日の当たる場所に少し腰をおろして休む。まだ朝の9時だったがお腹が空いてきたので早めのお昼にすることにした。
バーナーとメスティンを出して調理していたら何人かのお遍路さんに話しかけられる。歩きお遍路の中でも野宿遍路は少数派、さらに自炊する遍路はもっと少数派なので珍しさもあって「うまそうだねぇ」などと声をかけてくれる。その中に鴨の湯で同宿だった2人組の方もいらっしゃった。僕の30分後くらいに出られたそうたがもう追いつかれてしまった^^w
干しきゅうりと干大根入りぶっかけうどんを食べる。
梅の花だろうか?この休憩所はとても気持ちの良いところだった。
十分に休息がとれ気持ちを新たにし、再び遍路ころがしに挑む。
一本杉庵(浄蓮庵)へ
この後、一本杉庵までキツイ急登が続く。恐らく20キロのザックを背負ってなくても、この登りはなかなか歩きごたえのあるだろう。息を切らしながら一歩一歩ゆっくりと歩を進める。この1歩が焼山寺への距離を着実に縮めているんだと自分に言い聞かせながら、なるべく立ち止まらないように歩いた。
ちょうど前方少し離れたところに女性お遍路さんが歩いていたので、勝手にペースメーカーとさせていただく。なんとか離されないようにそれでも自分のペースを崩さないようにと思いながら歩き続ける。
ようやく人工物らしきものが見えてきた。一本杉庵に着いたようだ。
一本杉庵は浄蓮庵ともいうそうだ。
休憩をしているお遍路さんたち。みな一様に疲れている。
僕もベンチに座り呼吸を整える。焼山寺まではあと3.8キロあるようだ。
十二番札所焼山寺へ
一本杉庵の先は下りが延々と続く。
一体どこまで下るんだろう、、、せっかくあれだけ登ったのにここで下ってしまうのはとてももったいない。これだけ下るということは恐らくもう一度急登が待っているということなのだろう、、、
いつもの山登りなら下りはすいすい歩けるのだが、今は下りがとても歩きにくい。蓄積された足への負担により足が痛いのだ。ザックの重さも直接足にくる。なるべく痛みがないようにと、そおっと足を置きにいく。そのためペースもあがらない。登りは苦しいが痛みを感じない分、登りの方がよっぽどがんばれる。下りはただただ耐えるしかない。
一本杉庵までがんばって登った分をぜーんぶ降りてしまったんじゃないかと思うくらい下りが続いた後、視界がひらけた林道に出た。
んー、遠くの山まで見えていい景色だなぁ、、、、焼山寺までは恐らくもう一つ山を登ることになるはずなのだが、近くにそれらしき山が見当たらない、、、いやーな予感がする。
もしかしてあの山だろうか、、、?
方角からして上の写真の真ん中の一番高いところが焼山寺のある山で間違いなさそうだ。ここから更に少し下って、民家のあるとこらへんを抜けてまた登りが延々と続くことになりそうだ。思った以上にまだ遠い、、、
焼山寺までは山を2つ登ることになると聞いていたが、ホントに2つなんだなとあらためて思い知る。
林道から下る道に入るところで、数人のお遍路さんたちが休憩をしてお昼を食べたりしている。時計を見るとちょうどお昼時11:40ぐらいだった。お昼はもう食べたが少し小腹が空いてきたので僕も腰をおろして行動食を口に入れておく。
例の2人組の方もいらっしゃった。なんとか追い付いたようだ。
隣の方から「荷物重たそうなのに早いですね」と言われたが、実際はたくさんのお遍路さんににがんがん抜かれていくばかりで全然そんなことはない。一応あの山が焼山寺なのか聞いてみる。やはり間違いないようだ。
休んでいる歩きお遍路さん同士、ここまでの大変さを労い合う。一本杉までの急登、そして「もう下りたくない」って思いながら延々と続いたここまでの下り道。みな同じ気持ちなんだなぁと、同じ道を歩いてきた者同士、すぐに気持ちを共感し合えた。
ここまで体力はそれなりに消耗したがまだ余力はある。焼山寺まで文字通りもう一山、気合を入れなおす。よし、転がされないようにがんばって歩くぞ!
と歩きはじめたがすぐに足をとめる。遍路道に無人販売所があり、紅八朔なるものが1個50円という格安値段で置いてあった。皮を入れるごみ箱もある。
1個ずつ売っている。しかもごみ箱が設置されているという点、これが歩きお遍路にとっては非常にありがたいのだ。というのもこういう夏みかん的な果物は意外と重さがあるので2個も3個も持ち歩きたくない。1人で歩いている身からすると1個で十分なのだ。しかも剥いた皮を捨てられればその分軽くなるわけだからなおありがたい。この無人販売は、歩きお遍路のツボを抑えたとてもありがたいお接待だった。
他のお遍路さんたちはみな素通りしてどんどん歩いていってしまった。さっきザックを担ぎ直して焼山寺までがんばっていこうと歩き出したばかりなので、たしかに出鼻をくじかれた感はある。一度歩き出すとザックを下ろすという行為は意外と面倒に感じるものだ。それでもちょうど甘いものが食べたいと思っていたところでもあり、ここで八朔を食べない手はない。
ザックをおろして八朔を購入。皮を剥いて半分をその場で食べる。
甘酸っぱい酸味がとても美味しい。体の疲労を吸い取ってくれるような感じがした。残りの半分は行動食としてとっておいた。
今度こそ、気合を入れて歩き出す。
両側に梅(たぶん)が咲いている道を歩き、いよいよ山に入っていく。
1時間ほど登り道を黙々と歩く。ゴールが近いことがわかっているせいか不思議と力が湧いてきて、それほどきつく感じない。一本杉庵まで登りのがよっぽどきつかった。
へんろころがしの道標もついに6/6まできた。
13:13、ついに焼山寺に!藤井寺から約7時間半かかったことになる。
山門の前で自撮り。疲れてるけど充実感一杯。イエイ(≧∇≦)/
本堂。
御朱印。左の焼山寺以外解読不能だが力強くてかっこいい^^
最大の難所を乗越えた余韻に少し浸っていたいところだが、焼山寺を下りて寝床を確保するまでが今日のミッション。先はまだ長い。早いとこ出発しよう。
13:40頃焼山寺を後にした。
4日目-2に続く。
ソライロノート
【ソライロ遍路準備編】
【ソライロ遍路移動編】
0日目 沼津から四国に向けて、いざお遍路の地へ!
54日目 家に帰るまでがお遍路
【ソライロ遍路各県初日】
高知編:11日目-1 朝から雨、徳島から高知へ入る
愛媛編:30日目-1 松尾峠を越え、第三の地伊予の国へ
香川編:46日目-2 やまじ風吹き荒れるなか六十六番札所雲辺寺、初めての通夜堂泊
【ソライロ遍路徳島編】
1日目-1 ソライロ遍路スタート!
1日目-2 お遍路の洗礼と逆打ち先輩との出会い
2日目 初めてのお接待体験
3日目 最大の難所焼山寺に向け万全の準備
4日目-1 遍路ころがし焼山寺に挑む
4日目-2 遍路ころがしを越えた先
5日目-1 人それぞれの遍路道
5日目-2 十三番札所大日寺~十七番札所井戸寺
5日目-3 地蔵越遍路道を越え初めての河原野宿
6日目-1 十八番札所恩山寺~十九番札所立江寺
6日目-2 心身ともに疲労困憊
7日目-1 遍路ころがし鶴林寺越え
7日目-2 小学校に泊まろう!
8日目-1 遍路ころがし太龍寺越え
8日目-2 二十二番札所平等寺から弥谷観音前休憩所へ
9日目-1 海沿いを歩き二十三番札所薬王寺を目指す
9日目-2 薬王寺と温泉とひとり野宿
10日目-1 室戸岬への長い道のりの始まり
10日目-2 牟岐町から海洋町へ、徳島最後の夜