※ソライロ遍路53日間の全貌、ツイートしきれなかった部分も余すところなく織り込んでます。
4月27日、お遍路37日目その1。
お遍路37日目の朝、いつもより少し早く4時に起きる。小田の郷せせらぎという名前の通り、夜はすぐ横を流れている川のせせらぎしか聞こえず、車の出入りもほぼなかった。今まで泊まった道の駅でもっとも静かな夜、おかげでぐっすり眠れた。
36日目はこちら。
36日目-1 ありがたいお接待を受けながら内子町へ、小田川沿いの木材動物アートに癒やされる
36日目-2 農祖峠ルートを選び、道の駅小田の郷せせらぎに
朝飯
朝飯は、昨日道の駅で買ったたらいうどんの残り。なるべく早く出発したいので、さっと食べられるうどんがちょうどよかった。
今日の予定
今日は標高651mの農祖峠を越え、久万高原町に入り四十四番札所大宝寺を目指す。峠を下りたらお店もあるので食料も確保しておきたい。大宝寺まで約19キロなので次の岩屋寺に向けて少しでも進んでおきたいところだが、心配なのはお天気。朝からすでにしとしとと雨模様、一日ぐずついたお天気のようだが、せめてこれ以上ひどくならないといいのだが、、。
同じ場所に泊まった学生風野宿お遍路さんは 今日中に国民宿舎まで行きたいとのこと。自分も可能ならそこまで行きたいが、距離は26キロ。峠を越えた後に更に10キロくらいある。このお天気だし自分には難しいかもしれない。
テントを張った場所。東屋の下なので、未明から降り出した雨には濡れず。
パッキング完了、ザックカバーも装着。今日は雨がまだ静かなうちになるべくすすんで峠越えを。ここを乗り切れば先が見えてくるかも?!
雨の農祖峠越え
5時半に準備中の学生さんに挨拶をして、雨がしとしと降るなか出発。
登りが本格的にはじまる入り口近くに東屋があった。ここでも野宿はできただろうが、ここで寝るならトイレがある道の駅のがいいだろう。
東屋の数百メートル先の道路脇に水場。飲んでみたが冷たくて美味しい。
小田川の支流のひとつであろう太平川沿いを登っていく。このあたりはまだ車道が続いていく。
登りなので、息を切らさないようにゆっくりゆっくり歩く。道の駅から1時間弱で小屋風のバスの待合所があったので少し腰を下ろす。
本格的に雨が降り出す前にとはやる気持ちがあるので、5分もたたないうちにすぐ歩きだす。
公園のような施設があった。ここでも野宿できるだろうか?
しばらく車道を歩いてきたが、三島神社を過ぎたところで左の山道へ入る。くねくねと曲がる車道をショートカットできるようだ。
一旦車道に出てからのショートカット山道。
ショートカットはうれしいのだが雨なので足元はぬかるんでいる。なんどか滑るが金剛杖に助けられながら慎重に歩く。
気づくと民家の敷地のような場所に出てきた。
おや?道がない!?
足元ばかり気にしていたせいか、分岐を見落としてしまったかもしれない。
ちょうど軽トラが止まっていたの運転席に座っていたおじさんに挨拶をして道を訪ねてみると、「そこの家のべっぴんさんに聞いてみな」と言われる。
べっぴんさん? o(・_・= ・_・)oキョロキョロと見回す。すぐそこの民家の玄関先で掃除かなにかをされているおかあさんのことのようだった^^
お礼を告げてお母さんに声をかけると、「ああ、お遍路さんかね」と言いながら親切に道を教えてくださったあと「ちょっとまっとって」と。すぐに出てこられ「持ってきな」とぽんかんらしきものを2ついただいた。敷地内に勝手に入ってしまって申し訳ないと思っていたところに果物までいただき、本当にありがたい、、、感謝(人)
迷い込んだ民家のあたり。
教わったとおり歩いていくと、すぐに車道に出た。ぽんかんをしまうため、荷物を整理していたところ雨が少し強くなってくる。ちょうどそこに、学生さんがもくもくと歩いてきた。短く挨拶を交わしただけだが、同じ歩きお遍路さんが近くを歩いているだけで心強いものだ。
雨が一段と激しくなってきた。こうなる前に峠を越えていたいところだったが、まだまだこれからが本番だろう。
真弓トンネルの手前の東屋で休む。ちょうど学生さんもいたので一緒にポンカンをいただいた。
学生さんは、この雨でも国民宿舎まで歩くつもりで宿の予約を入れようとしていたが、今は電波が入らないようだ。この先のトンネルを抜ければ繋がるかもしれない。
国民宿舎には温泉がある。この雨の中でも温泉に入れれば体も温まりだがゆっくり休めるだろう。たとえ泊まらなくても温泉だけでも入れればいいなぁ、、、たしか近くの休憩所で野宿もできるという話を先日のボランティア青年から聞いていた。ただ、ここは標高が高いのでめちゃくちゃ寒いらしいが、、。
それよりも何よりも問題はそこまで歩ける体力があるかどうか、、、。もう少し先に進んでから考えよう。
今日は雨の中の峠越えなので昼飯兼行動食は、すぐに食べられるかつ巻きと唐揚げ。こんなときは肉を食べて気合を入れる!
ここから鴇田峠へつながっていたようだが、全面通行止めの案内板がある。農祖峠ルートは問題ないようだ。
大宝寺まで6.8キロとある。
ここから車道が終わり山道になっていくようだ。何気なくふぅと一息入れて立ち止まったとき、道の左側でカサカサッと音がした。
ん?
思わず音のした方をみる。一瞬分からなかったが、よくみるとヘビだった。近づいて写真を撮ったがまったく動く気配がない。雨で元気が無いのだろうか?おとなしいヘビだった。
遍路道でなんどか「マムシ注意」の看板をみてきた。こいつはマムシの柄に似ている気がするが、、、どうだろう。幼アオダイショウとマムシの柄は似ているというが、大きさ的にも小さいし、頭の形がマムシっぽくないよう見えたが、、実際のところはわからない。
林の中に入ったせいか、少し小ぶりになったのか雨はあんまり気にならなくなってきた。
突然まわりから何かがこすれているような音がする、、、
擬態語で表すのも難しいのだが「キィェクェィキィェクェィ」と言う感じ??
カエルかなあ?いやぁでもカエルは「ガーガーガー」だよなぁ、こうこう鳴き声のカエルもいるだろうか?まわりを見渡してみたが、生き物の影は見当たらなかった、土にたくさんお穴があいていた。だが鳴き声はあちこちから聞こえるので、この穴から聞こえてるようには思えなかった。一体なんだっのだろう??
せっかくだから録音しておこうと思い、動画を撮っておいたのがこちら。
傾斜きつくはないが延々と登っていく。
ゆっくりゆっくり息が切れないように歩いていく。時間はかかるが1歩前に進めば確実に1歩近づく。そろそろ峠が近そうだなという感じになってきていた。
少し広いスペースに出た。どうやらここが峠のようだ。
天気が良ければここで自炊するのもいいだろう。
少しだけ休んでいたら、カニさんを発見!雨の日はいろんな生き物に遭遇する^^
「やんのか!?あー?」とカニさんに煽られる^^
下りは滑らない足元だけ気をつけて歩く。雨だけでなく荷物が重いときは特に滑りすいので、杖を使いながらゆっくり歩く。
久万高原町に入る
気づけば麓まで下りていた。久万高原町に入ったはずだ。「くま」と読むすら知らなかったのだが、このあたり町全体が標高1000メートルを超える四国山地に囲まれ、スキー場もあるような寒い場所なのだそうだ。
車道に出て屋根のあるところで地図を確認する。このまま四十五番札所を先に打つルートがあることに気づく。国民宿舎は 通らなくなり、順番が変わってしまうが、歩いた道を逆に戻る打戻りが発生しなくなる利点がある。そういえば、四十四、四十五番は逆に打つ人のほうが多いという話をどこかで聞いた気がした。距離的にはあまり変わらなそうだが、順番が逆になることよりも、打戻りを嫌う人はこちらのルートを選ぶのかもしれない。
ただ好き嫌い以前にもっと重要な事があった。昨日道の駅で買った食料は今日でほぼ尽きる。予備はほとんどないのでまずは食料確保を最優先に考えないと。
お店は四十四番札所の手前付近にいくつかありそうだ。となると、まずは四十四番札所大宝寺を目指し、その後買い物をしてからどこまで歩くか考えよう。
一度やみかけていた雨がまたひどくなってきた。
公衆トイレがあったので用を済ませておく。大宝寺まではあと少しだった。
その2へ続く。
ソライロノート
【ソライロ遍路準備編】
【ソライロ遍路移動編】
0日目 沼津から四国に向けて、いざお遍路の地へ!
54日目 家に帰るまでがお遍路
【ソライロ遍路各県初日】
徳島編:1日目-1 ソライロ遍路スタート!
高知編:11日目-1 朝から雨、徳島から高知へ入る
香川編:46日目-2 やまじ風吹き荒れるなか六十六番札所雲辺寺、初めての通夜堂泊
【ソライロ遍路愛媛編】
30日目-1 松尾峠を越え、第三の地伊予の国へ
30日目-2 愛媛最初の札所観自在寺、公園野宿を見逃していただく
31日目-1 激しい雨風の56号線を歩き、ゆらり内海で休憩
31日目-2 密室の遍路小屋で怪しげな先客と二人きり
31日目-3 遍路小屋の夜
32日目 体調不良で急遽宿に泊まる
33日目-1 病み上がりのリハビリ歩き
33日目-2 雨のなか3日ぶりの納経後、道の駅泊
34日目-1 四十二番札所佛木寺から歯長峠越え
34日目-2 四十三番札所明石寺後、遍路小屋で一人焼肉
35日目-1 鳥坂峠を越え、予定外の臥龍の湯に浸かる
35日目-2 野宿の聖地十夜ヶ橋の下で寝る
36日目-1 ありがたいお接待を受けながら内子町へ、小田川沿いの木材動物アートに癒やされる
36日目-2 農祖峠ルートを選び、道の駅小田の郷せせらぎに
37日目-1 雨の農祖峠を越え久万高原町へ
37日目-2 八十八分の四十四番目はどしゃぶりの大宝寺、その後アクシデント発生
38日目-1 恐怖の峠御堂トンネルを抜け、いやしの宿八丁坂さんにザックを預ける
38日目-2 空身でらくらく八丁坂を越え、四十五番札所岩屋寺へ
38日目-3 体調に異変が生じる中、レストパーク明神へ
39日目-1 目覚めの恐怖を乗り越え、四十六番札所浄瑠璃寺で手のモデル!?
39日目-2 お遍路もGWの賑わい!四十七番札所~四十八番札所
39日目-3 GPSトラブルがありつつも、衛門三郎伝説の五十一番札所石手寺へ
39日目-4 道後温泉に入り道後公園に泊まる
40日目-1 朝からトラブルも地元の方に導かれ五十二番札所太山寺、五十三番札所円明寺へ
40日目-2 9日ぶりに海を眺め、文化の森公園に泊まる
41日目-1 松山市を抜け、瓦と石油基地の町菊間へ
41日目-2 五十四番札所延命寺~五十五番札所南光坊、駿河か伊豆かで悩む
42日目-1 五十六番札所泰山寺~五十八番札所仙遊寺、油断して体力消耗
42日目-2 五十九番札所国分寺、明日に備え最後のゆうパック
42日目-3 お遍路おじいさんに再会後、臼井御来迎に泊まる
43日目-1 愛媛のラスボス!?石鎚山中腹の横峰寺に挑む
43日目-2 シャクナゲが華やかな六十番札所横峰寺から雨雲と競争しながら下山
44日目-1 六十一番札所~六十三番札所、石鎚神社で御神水カエル発見!?
44日目-2 六十四番札所前神寺後、導かれるように善根宿へ
45日目 夏のように暑い一日、新居浜市から四国中央市へ
46日目-1 愛媛最後の札所、六十五番札所三角寺へ