※ソライロ遍路53日間の全貌、ツイートしきれなかった部分も余すところなく織り込んでます。
4月4日、お遍路14日目その2。
14日目、雨が降るなか山の上にある二十六番所金剛頂寺をお参りし、再び国道55号線まで下りてきた。次の札所まではまだ20数キロあり、今日中にたどり着くことはできない。今日の目標は途中にある田野町の温泉まで、お昼を食べた場所から残り14キロほどだった。
14日目その1はこちら。
雨の中、二十六番札所金剛頂寺へ
おやつタイム
食材、行動食は十分持っているので今日は買い物は不要、ひたすら歩くのみだった。遍路道は相変わらず海沿いの55号線。潮風を受け、波の音を聞き、家並が途切れているところでときどき海景色を眺めながら歩く。朝の雨歩きで体力を奪われすでに疲れは出はじめてきているので、足取りは軽くはなかったが前日ほどの厳しい状態ではなかった。
2時間ほど歩き、またお腹がすいてきた。カロリー不足にならないよう早めに食べておきたいが、休めそうな場所がなかなか見つからない。ちょっとみっともないが、やむをえず道端の自販機の横のスペースで休憩することにした。
コーラと栗タルト。優雅な午後のひととき(実際は道の横に座り込んでる)、、、美味しかった^^
野宿適地を探しつつ田野町の温泉を目指す
温泉を目指して歩いていたが、距離はまだまだある。果たしてそこまで歩けるだろうか、、、歩けない可能性の方が大きいかもしれない。途中でいい野宿場所があれば無理をしないようにしよう。
海岸沿いに東屋があった。海の眺めがいい場所。屋根もあり寝床としても悪くなさそうだが、風をもろに受ける感じ。まだ歩けそうなのでもう少し先に行くことにした。
羽根岬近くに休憩所があった。駐車場になっていてトイレと東屋がある。東屋の下はテーブルとベンチがあり、屋根の下にテントが入り切らない感じ。海にも下りれたがすぐ近くまで水がきているので下にテントを張るのはダメそうだ。
ただトイレもあるし悪くないよなぁと思い、しばし考えた。ちょうどご夫婦らしい歩き遍路さんがきたので今日はどこまで行かれるのか聞いてみた。田野の駅のあたりまでだそうだ。温泉があるのもそのあたり、うーん、僕ももう一踏ん張りして当初の予定通り温泉を目指そうかなぁと思い直し休憩所を後にする。
奈半利町に入った。
バス停のそばに小屋のような待合所があった。確かにこういうところなら寝袋野宿もできそうだ。
さらに歩いていくと海側に石碑があり「弘法大師霊跡」とかかれていた。道路から下におりてみると小さなお堂がある。鍵がかかっていて中には入れない。周辺にスペースがあるのでテントを張ることはできそうだが、すぐ横は海なのでお天気、波が荒れているときは少し危険かもしれない。
車道からも影になり悪くはなさそうな場所だっだが、ここに野宿するなら羽根岬近くのトイレのある休憩所のがいいだろう。かといって戻る気にはなれない、、先に進もう。
再びバス停の小屋。
いい加減だいぶ足も体も疲れてきたが、温泉にはまだたどり着かない。あと2,3キロくらいだろうか、、、あー早く温泉に入りたーい、、
少し先に「海辺の自然学校」というのがあり、その横の公衆トイレをお借りする。
更に1キロほど先にバス停小屋。このあたりはこういうのがあちこちにあるので、野宿場所に困ったときは助かるだろう。
奈半利川橋手前に東屋があり、奈半利川を渡れば田野町のようだ。ようやく温泉近くまで来た。風呂に入ったあと、ここは野宿場所がみつからなかったときの保険にしておこう。暗くてよく見えないが橋の下もありかもしれない。
たのたの温泉
時刻はもう19時手前、かなり遅くなってしまったがようやく「たのたの温泉」に到着。大人700円はちょっとお高め。建物はまだ新しく、オープンしてからそんなにたっていないのかもしれない。
大きなザックを持って温泉に入るときはザックがロッカーに入らないので、お願いしてカウンターで預かっていただく。こんなでかいザックを持っていこうとする人なんていないだろうが、万が一の場合に困るのは自分なわけで言うまでもなく自己責任だ。
これで3日連続のお風呂だ。しかも今日は温泉に入れるなんて贅沢だなぁと思いつつ内風呂にゆっくり浸かる。疲れがすーっと抜けていく感覚、足裏や足の筋肉を時間をかけてマッサージする。露天風呂はなかったけどサウナも気持ちよかったし、やっぱり温泉は最高だ。
寝床探し
さて、温泉の後は寝床探し。時間はもう20時になっていたが、困ったら少し手前の東屋まで戻ればいいわけだし焦りはあまりなかった。
すぐそばに奈半利川が流れているので近くまで行ってみようと思い、ふと目の前の看板をみたら「二十三士公園」とある。これは!?と思い、暗い公園に入っていくと東屋、トイレもある。なんといい野宿スポットじゃないか。わずか3分で今日の寝床がみつかった!^^
奥の明かりがトイレ。人影は一切なし。
夕飯
テントを設営して一息ついたらもう21時近く。早く寝たいので今日はカレーで済ませる。
納豆カレー麦飯、簡単に作れて美味しい。
お遍路で食べた自炊遍路飯のレシピを紹介するシリーズ、今回は6日目の夕飯、14日目の夕飯など何度も作った「納豆カレー麦飯」です。 [adcode] 材料 ・押麦 1合・水 1.8カ[…]
出納帳
お賽銭 20円
納経代 300円
コーラ(自販機) 130円
たのたの温泉 700円
【集計】
宿泊費:0円
風呂:700円
洗濯:0円
食費:130円
日用品:0円
お参り:320円
合計:1150円
ルート
・ルート:7:07ホテル冨士-8:12民宿うらしま休憩所-9:05二十六番札所金剛頂寺9:50-11:40吉良川まちなみ第一駐車場(昼飯)12:15-16:12羽根岬近くの休憩所16:25-16:50弘法大師御霊跡17:00-18:50たのたの温泉20:00-20:07二十三士公園(泊)
・合計時間: 13時間16分
・合計距離: 29.3km
・最高点の標高: 182m
・最低点の標高: 1m
・累積標高(上り):438m
・累積標高(下り):448m
14日目GPS(ヤマレコ)
ソライロノート
前日まで体に力が入らず歩くのに苦労したが、だいぶ体調が回復し今日はある程度普通に歩けた。ただまだ少し荷物が重い。どこかでもう一度荷物の見直しをしてゆうパックを使うかもしれない。
体調は回復傾向にあるとは言いながらも、雨歩きで体力を奪われ、午後になると一層足も体も重くなった。そんな中、がんばって歩けたのは「温泉に入りたい!」という一心だった。温泉の気持ちよさ、回復力は本当に素晴らしい。野宿遍路において一番お金と時間をかけてもいいんじゃないかと思えるくらい、僕のお遍路において最重要事項&楽しみになってきている。
遍路みち近くに温泉があれば逃さずに入っていこう!たとえ毎日でも。そう心に誓い眠りについた。
15日目へ続く
【ソライロ遍路準備編】
【ソライロ遍路移動編】
0日目 沼津から四国に向けて、いざお遍路の地へ!
54日目 家に帰るまでがお遍路
【ソライロ遍路各県初日】
徳島編:1日目-1 ソライロ遍路スタート!
愛媛編:30日目-1 松尾峠を越え、第三の地伊予の国へ
香川編:46日目-2 やまじ風吹き荒れるなか六十六番札所雲辺寺、初めての通夜堂泊
【ソライロ遍路高知編】
11日目-1 朝から雨、徳島から高知へ入る
11日目-2 魔の55号線で大きな痛手
12日目-1 二十三番札所から三日目、食べても食べても力が入らず
12日目-2 フラフラになりながら室戸岬にたどり着く
13日目-1 高知初の札所に到達しyoutube仲間の陣中見舞い
13日目-2 道具と食材と体と心を整える
14日目-1 雨の中、二十六番札所金剛頂寺へ
14日目-2 田野町の温泉に入り、二十三士公園に野宿
15日目-1 真っ縦を登り二十七番札所神峯寺へ
15日目-2 真っ縦の登り返し後、温泉に入れず公園野宿
16日目-1 長く苦しかった国道55号線が終わる
16日目-2 少年の導き
17日目-1 雨の遍路みちを歩き、二十九番札所国分寺へ
17日目-2 三十番札所善楽寺から打ち戻り、一宮墓地公園へ
18日目-1 三十一番札所竹林寺~三十二番札所禅師峰寺
18日目-2 車救出後、種崎千松公園へ
19日目-1 浦戸大橋の一番高い所からの風景を眺め、三十三番札所雪蹊寺~三十四番札所清龍寺へ
19日目-2 三十五番札所清瀧寺後、窪地休憩所にて野宿
20日目-1 三十六番札所青龍寺
20日目-2 龍温泉に入り、ゆる~い一日に
21日目 浦ノ内湾の北岸を歩き、土佐市から須崎市へ
22日目-1 焼坂峠を越え中土佐町へ
22日目-2 添蚯蚓遍路道を歩き四万十町へ
23日目-1 三十七番札所岩本寺から水車亭でスイーツ休憩
23日目-2 猿田彦神社に寄り道し、土佐佐賀温泉こぶしのさとへ
24日目-1 熊井隧道を抜け、再び高知の美しい海へ
24日目-2 ベテランお遍路に叱られ凹みつつ、ゴルフ場に泊まる
25日目-1 四万十ブルーに見惚れ、10年後に思いを馳せる
25日目-2 下ノ加江海岸で初めての砂浜野宿
25日目-3 その夜
26日目-1 足摺岬へ向かう途中、以布利港でジンベイザメに出会った
26日目-2 四国最南端足摺岬へ
27日目-1 足摺半島をぐるっと周り、中浜万次郎生家に寄り道
27日目-2 足摺半島西岸を歩き、バス待合所で野宿
28日目-1 食料計画が崩れる
28日目-2 雨の月山詣でと命の梅干し
29日目-1 宿毛の遍路小屋であやしげな老人に出会う
29日目-2 デポ作戦を決行し、高知最後の札所へ